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将軍と姫に囲まれた夏休み?

更新リクエストが一番多かったので

 学生で長期の休みを心待ちにしていない奴はいないと思う。

 中でも夏休みが一番テンションが上がる。

 テストが終わり夏休み目前となった一年C組も、ご多分に漏れず夏休みの話題で盛り上がっていた。

 盛り上がっていたが…やっぱり、星空の方々は盛り上がる話題が庶民とは違うらしい。


「夏休みはどこでお過ごしになられますか?私は父の別荘があるセブ島に行く予定ですの」


「まあ、素敵ですわね。私のお家ではパリに二週間程行ってまいりすの」

 女子二人はそう言ってオホホと笑いあう。

 俺はフランスパンは作れるがフランスには行った事がない。

 

「俺んち今年はモナコだってよ」


「うちはナポリ、冬休みに頼んでおいたスーツが楽しみだな」

 …誰か一人位田舎に帰省するって奴はいないのか?

 社会人になったら長期休みとは無縁になる…いや、プーになれば終わりの見えない長期休みが待ち構えているけど。 


「シゲ、お前は夏休みはどうするんだ?」


「バイトだよ、バイト。有詩は部活か?」

 一年で即サッカー部のレギュラーになった有詩は夏休みと言えども部活が忙しいと思う。


「それとボランティアだよ。医者を目指す者としては院内の雰囲気に馴れておきたいし」


「おっ、流石は将来のゴッドハンド。俺に何かあったら格安で頼む」

 有詩の父親有一さんは外科医でゴッドハンドと呼ばれる程の名医だ。


「俺が目指すのは外科医だぜ?手術室で幼馴染(しげ)みとご対面はしたくないよ」

 確かに、普通に生活していれば外科医の世話になる事はないだろう。

 あの時、有一さんみたいな名医が近くにいたら、俺はこの世界に来なかったんだろうか?

 そうしたら有詩や早紀さん、姉さんや朋子に会えなかったかも知れない…もちろん、琴美にも。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 

 昼休みに、真っ青な夏空を見ていたら、前世の思い出が甦ってきた。

 北海道の夏は足早に過ぎ去っていく。

 俺と香子は足早に去っていく夏を追い掛けるかの様に全力で夏を満喫した。

 夏祭り、プール、サイクリング、ジンギスカン。

 夏祭りでは浴衣を着た香子がやけに大人っぽくてドキッとしたし、プールに着てきたビキニは恥ずかしくてまともに見れなかったりした。


(どこでどうすれ違ったんだろうな…いや、俺の香子ならずっと待っていてくれるっていう自惚れがいけなかったんだよな)

 夏空が眩しくて甘酸っぱい夏の日を思い出させてくれた…のは一瞬だった。


「ふぐっほ!?」

 突然脇腹に走る鋭い痛み、夏なのに凍える様な冷たい目で俺を見ている琴美お嬢様。

 そして俺の脇腹にめり込んでいるお嬢様の正拳。

 普段なら有詩に助けを求めるんだけど、有詩は白鳥さんと出て行ったきり戻って来ていない。


「なに一人でニヤニヤしてんの…キモい」

 何故か不機嫌な琴美お嬢様。


「夏休みが楽しみだから顔がにやけても仕方ないだろ」


「どうだか?生徒会は夏休みに星空祭の準備があるからお忘れなく…それと合宿もあるからね」

 星空祭、星空学園全体で行う文化祭で規模が凄いらしい。

 らしいと言うのは人伝(ひとづて)にしか聞いた事がないからだ。。

 お嬢様方への盗撮やナンパを危惧してか入場規制も厳しく、身内でも両親以外は入るのが難しい。

 

「合宿?生徒会でか?」


「海さんが生徒会役員の絆を深める為にやるんだって。中等部の子や各委員長にも声を掛けているみたいよ」

 今年の星空学園には将軍や姫が、何時もの年より多く在籍しているそうだ。

 将来、政治家になるであろう海会長にしてみれば仲良くなりたいのは当たり前。

 生徒会には琴美がいるし、中等部には星空学園の校長の娘がいる。

 早紀さんは保健委員の委員長だし、伊庭先輩は風紀委員長。

 政治家としては得難い友人になると思う。

 

(いや、考え過ぎだよな。どうも年を取ると裏を勘ぐっちまう)

 人の親切に打算を見いだす癖が着いたのは何時位だったからだろうか。


「それで何処に行くんだ?あんまり遠くだと旅費を出せないぞ」

 海外なんて言われたら即お断りだ。


「うーん、沖縄みたいだよ。うちも海先輩の家も別荘を持っているし」

 

「それなら俺はパスだ。流石に沖縄までの旅費はきついからな」

 父さん達には朋子の旅費を出してもらう、足りなきゃ俺も協力するし。


「なに言ってるの。うちの飛行機に乗せてあげるわよ…ただし、炊事当番はお願いね」

 まあ、姫や将軍に炊事当番なんてさせたら問題になりそうだから妥当な案だと思う。

 …何より俺が溶け込む自信がないから厨房に籠りたい。

 

「それで保護者はどうするんだ?別荘に学生だけ泊まるのは流石に不味いだろ」

 中身だけなら俺も立派に成人しているが、ここでそれを証明するのは不可能。


「…顧問の先生が着いてきてくれるみたいよ…」

 顧問の先生に何か思う事があるなか、複雑な表情で呟く琴美。


「顧問の先生?そういや、まだ顔を見てないな」

 

「さっ、生徒会室に行くわよ。」

 琴美はそう言うと足早に教室を出て行った。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 生徒会室は凄い事になっていた。

 生徒会 爽青海(会長)、爽青空(副会長)、姫星琴美(書記)

 保健委員 七竹・アークイラ・早紀(委員長)

 風紀委員 伊庭弓美(委員長)

 文化委員 夜鬼光牙(副委員長)

 海外交流委員 七竹・アークイラ・有詩(代表)、白鳥雪香(代表補佐)

 広報委員 早乙女翔太(代表)

 運営委員 来部蘭(代表)

 中等部生徒会 星空礼緒(会長)姫星琴理(副会長)

 見事なまでに将軍と姫が揃い踏みしている。


(兄貴、兄貴、凄いよ。将軍と姫が勢揃いだよ)

 ちなみに朋子は流石に不安なのか俺の隣に座っていた。


(勢揃いって、もう一人は黒光りしているゴツい人か?)

 身長百九十センチはありそうなマッチョさん。


(体育委員会会長の黒岩(くろいわ)武流(たける)先輩。実家は黒岩建設なんだって。でも、何で委員長じゃない人が代表で来てるのかな?)


(そりゃ、この面子(めんつ)に参加するには勇気がいるだろ?だから自分の委員会に所属している姫と将軍に押し付けたんだろ)

 面子が集まらないで三麻(さんま)を始めて盛り上がってきた時に、遅れて一人参加すると妙な空気になるんだよな。


(流石は兄貴!!でもこのメンバーなら海外とか行きそうじゃない?)


「みんな、集まってくれてありがとう。今年の生徒会交流合宿は南公時市青少年センターで行います」

 ドヤ顔で宣言する海会長。

 南公時青少年センター、公時山に建てられたいわゆる合宿所。

 俺、小学校から何年も利用しています。


キャラ一覧を作ろうかと思いますが必要な情報は何がありますか?

感想お待ちしています。

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