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赤い女  作者:
5/13

買い物へ…

気付くと時刻は9時55分を指していた。

(もうすぐ決戦が始まる…。)


そう、SOEの決戦の10時が近づいているのだ。

小遣いの少ないミオにとっては決戦はレアアイテムを手に入れる数少ないチャンス。レアアイテムが手に入るガチャは最近めっきり確率が悪くなってしまったが…、

(でも、運良くレア装備さえ出れば私はみんなの羨望の的よ!ミミさんや凜さんもきっと羨ましがるだろうなぁ〜。あぁ、夢の伝説の杖ケリュンゲリオン…)



はっ!時計を見ると時刻は10時5分になろうかとしていた。

しまった、出遅れた!慌ててログインする。

「あー!やっぱりもう1体目終わってるじゃん…。」

思わず声が出てしまった。

アルテミスはかなりの上位パーティーのため、油断しているとあっという間にBOSSが倒されてしまう。倒した時に参戦していなければ、もちろん何もアイテムは貰えない。

凜さんはしっかり最初から参戦していた様だ。


40分後…。


ふぅ〜。ミオは溜息をついた。3体目のボスを倒し、2回だけ回したガチャはまたクズアイテムだった。


「お疲れ様でした(^o^)」掲示板に書き込むと、なんだか眠くなってきた。

最近はあいつの事ばかり考えて寝不足である。授業中もよくボーっとしてると先生に怒られる。


(いけない、いけない!)

ミオは母の顔を思い出した。

コンビニにいかなきゃ…。

のそのそと出掛ける準備をする。


(全く…、テスト前だってのに…)


全て自分のせいであることは頭では分かっているが、少しイライラしながらミオは近くのコンビニに出かける事にした。

サンダルを履いて外に出る。先日、モモとお揃いで買ったものだ。コツ、コツ、コツ…。サンダルの音が誰もいない廊下に響く。真夏とはいえ、今夜は少し冷える。上着を着てくれば良かったと後悔しながらミオは少し急いだ。

エレベーターはちょうど20階に停止していた。

(おっ、ちょっとだけラッキーかも…)

下へ行くボタンを押した。静かに扉が開き、節電中で消灯中のエレベーターの中の電気が付いた。



えっ!?

#

……………………!!!?!!

「ギャーーーー!!!」


ミオは叫んだ。

エレベーターの中にいたのは数時間前に見たのと同じ、真っ赤な服をきたあの髪の長い女の後ろ姿だった。


バタばたバタバタばたバタ!!


ミオは逃げた!途中サンダルは脱げ、何度も転んでしまった様な気もするが覚えていない。何も考えず、とにかく部屋へと走った。


バタン!ガチャリ!


ドアの鍵を閉め、這う様に部屋へと入る。「ミオ!」母が何か言っていたが脇目も振らず部屋に入り、鍵を掛けると、布団を頭から被って震えていた。

(何あれ何あれナニあれ!ありえないありえないアリエナイ!)

(えっ?だってエレベーターの電気消えてたし!ずっとあのままいたって事?ありえないよ!)


ドンドンドン!「ミオ!ミオ!一体どうしたの?」

母の呼び声にも反応せず、ミオは布団を被り続けた…。

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