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赤い女  作者:
1/13

ミオ

ある夏の夜。ミオは焦っていた。時刻は既に8時を過ぎていた。自宅のマンションに着いた彼女はオートロックの鍵を開けようと鍵を探した。こんな時に限って鍵が見当たらない…。

ようやくカバンの奥から鍵を見つけた。かなり大きめのぬいぐるみが付いたキーホルダーが引っかかりなかなかカバンから出てこない。「もう!明日も早いっていうのに…。」


ミオは地方都市に暮らす、16歳の女子校生である。テスト前の勉強会をしようというクラスメートのモモの誘いにつられて行ったものの、年頃の女子が真面目に勉強をするはずもなく…。結局雑談話で終わってしまった。(全く!モモったら結局なんの勉強会なんだか!)

モモとは今年の春に初めて出会った。親の都合の為、別の学区の高校に進学したミオは大人しい性格もあり、なかなかクラスに溶け込めないでいた。そんな時、カラオケに誘ってくれたのがモモだった。モモも別の学区からの進学組だが、すでにクラスにはすっかり溶け込んでいた。活発で友達も多いモモとは正反対の性格だったが、2人はすぐに仲良くなった。モモのお陰で他のクラスメートとも仲良くなることができた。今ではよくお互いの家を行き来している。勉強も得意で、活発なモモにミオはいつも振り回されているが、悪い気はしない…。


しかし、今日は特に遅くなってしまった。帰り際にモモの父親とすれ違ったが、少し怒っているように見えた。

(お母さんには、モモの家で勉強会って言ってるからいいとして…。当面の心配は今度のテストね。早く勉強しなきゃ!それと明日の日直!明日だけは絶対に遅刻出来ないわ!)

いつもは憂鬱な日直であるが、明日だけは別である。今気になっているあいつと2人の当番なのだ。なんだか恥ずかしく、このことはモモにも打ち明けていない。


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