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  作者: 守利上 響
12/17

家族

「お誕生日おめでと〜☆」

パーンというクラッカーの音と共に、愛のお誕生日パーティーは始まった。

愛の家では家族の誕生日はみんなで大々的に祝うことになっている。

今日なんか学校から帰ってくるとすぐリビングに連れて行かれ、パーティーが始まった。

この年で、、、とも思うがプレゼントももらえるし、ご馳走がでるからそこはありがたい。しかし、ご近所にも聞こえるような声で

「ハーッピバースディトゥユー」

と歌わすのは勘弁して欲しいところだ。

まぁ、今回は愛が主役の為、歌うことはないからいいが・・・

「はい、愛。お母さんからプレゼント。」

「ありがとう。」

開けてみた。

「!」

開けてみると、財布で、九条が誕生日に買ってくれると言っていた物だった。

「どうかした?」

愛ははっとして顔を上げた。

「ううん、何でもない。ありがとう、お母さん。」

次に弟からもプレゼントをもらった。

中身はピンクの花のピアスだった。

父親からはなんとパソコンだった。

愛が学校に行っている間に愛の部屋につないだらしい。

学校から帰ってきて部屋に行く時間もなくパーティーを始めたのはこの為だったのか。「愛ももう大学生になるしな。自分用のパソコンくらいあった方がいいだろう。」

「ありがと〜。お父さん!」

「いやいや☆」

その後は家族団らんで楽しい雰囲気でパーティーは進んだ。


「じゃ、あたし部屋戻るね。」

と言って愛は部屋に行った。

部屋に戻ると机の上にパソコンが乗っていた。

嬉しくて顔がにやけてしまった。

早速起動させてみる。

パソコンが立ち上がると同時にプレゼントの財布の事を思い出した。

早く九条に知らせなくては。

そう思い、携帯で電話をかけた。

だがつながらなかった。

もう一度かけてみたがだめだった。

まだ仕事なのだろうとあきらめ、パソコンからメールを送ることにした。

キーボードにはなれていない為、

『ごめんなさい!九条が買ってくれるって言ってた財布お母さんがあたしのプレゼントにくれてしまったの。。あたし用のパソコンから送りました☆愛』

というメールを送るのに五分ほどかかってしまった。

その日、九条からの返事はなかった。


次の日、パソコンのメールをチェックすると九条からの返事が来ていた。

『自分用のパソコンあるんだ。じゃあこれからは携帯とパソコン両方で連絡取れるな☆財布の件は大丈夫。まだ買ってなかったから。今度あうときまた一緒に見よう。』

と書かれていた。そして最後に九条のパソコンのアドレスが書いてあった。

携帯のアドレスと共に登録した。これで九条との連絡手段が増えた。嬉しかった。

自分用のパソコンが手に入った嬉しさもあり、家にいるときは必ずパソコンでメールをしていた。

九条はなかなか忙しい人らしく、最近会っていない。と言うか、この間誕生日プレゼントの下見に行った時以来メールしかしていない。一方愛は、自由登校になって、またもや暇な日々を過ごしている。学校の友達はまだ受験戦争に追われているから、愛の暇つぶし相手にはなってくれない。

夕方五時頃。愛はパソコンで九条の携帯にメールを送ろうとしていた。そんな時、愛の携帯がなった。着信音だ。見ると九条からで、愛はすぐに出た。

「もしもし?」

「あ、愛?今暇?」

「う、うん。どうしたの?」

「急に時間が取れたから今から出かけない?まだ誕生日プレゼントもあげてないし。」

「うん!行く☆」

「じゃあ、今から二十分くらいでそっち行けるから準備して待ってて。ついたらメールする。」

「わかった。じゃあね〜。」

電話を切った。よっしゃ!!と、心の中でガッツポーズをした。久しぶりに九条と会えるのだ。楽しみでないわけが無い。

早速準備を始めた。


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