スタートダッシュ
『クソ! 妨害を全て下してふんぞり返りやがって!』
学園貸し出しの魔人に混じって、特注でカスタムされたであろう青色の魔人が学園長に向けて吠える。
「あれだけ注目を集めて、周りも見えてないみたいですね」
『思惑通りに行かなくて相当イライラしてるみたいだな』
『身分の上下関係なく、実質的には自分が優れていると信じてるプライドの塊みたいな奴だからな。学園長を出し抜けなかったのがよっぽど悔しいんだろうよ』
準備運動を終えるとステップの怒りの咆哮を聞き、同じくスタートラインにいるアリシアたちは呆れていた。
何度も邪魔をして迷惑をかけた上で、人目を憚らずの逆ギレなのだからそれもしょうがないだろう。
「視界に収めてもしょうがありません。スタートダッシュに集中しましょう」
アリシアはそれ以上ロージたちが不快な気分にならないためにそう促すと息を整える。
邪念に囚われてスタートダッシュを失敗するのなど最悪だ。
必要な緊張感を残してその他の不要なものは排除する。
『3、2、1、スタート!!』
雑念を追い出し、クリアになると同時にスタートのコールが始まる。
スタートの声が終わるともに踏み込み一気に最高速に持っていく。
『インチキだ!』
横でブチギレ散らかしていたステップはスタートダッシュを綺麗に決められなかったようで後方から文句をいう声が聞こえた。




