アンビリーバボー
「すいませんでした! 許してください!」
主人公──ロージが寮の部屋で魔術の基礎の復習をしていると今日ちょっかいをかけてきたタイラーが訪ねてきて震えながら土下座してきた。
最後見た姿は上級生たちに抑えつけられながら、「平民どもが図に乗るんじゃねえ! 絶対にお前を死罪にしてやるからな!」と吠えていた姿だっただけに殊勝に謝っている今の姿が信じられない。
「本当に悪いと思ってるんだよな?」
「当たり前だろ! 悪いと思ってる! 信じてくれ!」
タチの悪い悪ふざけかと思い警戒しながら聞くと誰かに命を握られてるような必死な形相で詰め寄ってきた。
「わかったよ。もうあんな真似しないんならいいよ」
「するわけないだろ! こっちがどうなると思ってんだ!」
あまりの一生懸命さに信じことにすると許したと言うのに尋常ではない様子でタイラーは食ってかかってくる。
タイラーの印象は最悪だし、このまま変な絡み方をされても嫌だったのでロージは早く去るように催促することを決定した。
「そっちの事情はわかった。もう許したんだ。帰ってくれ」
「早く言えそれを!」
帰るように催促するとタイラーは肩を怒らせて逆ギレして帰っていく。
怒ってはいるが素直にこちらの言うことを聞き、暴れないところを見るとやはり日中とは違って見える。
確か取り押さえられたあとはあの同年代の学園長に呼び出されている。
可能性としては呼び出された時になにかあったようにしか思えない。
わずか11歳で魔人を倒して頭角を表した傑物だと言うが格上の貴族であるタイラーでさえ骨抜きにしたとでも言うのか。
事実はそうであるとしか言えないが身分がものを言う世界でそんなジャイアントキリングができるとはとても信じられなかった。
「学園長から何か学ぶべきことがあるかもしれない」
真実を確かめるためにもロージはマウントに興味を持ち始めた。




