願望のこもったオープニング
「春の陽気が──」
特待生代表が挨拶を始める。
ゲーム通りアイザック君なので問題はなさそうだ。
あまりにも最近平穏すぎて逆にこの本編開始と同時に何か起きるかと勘繰ったが杞憂だったようだ。
主人公たちもガッツリいるので不確定要素が出るような事態は無しと思って良さそうだ。
「学園長挨拶、ボンボン学園長お願いします」
とりあえず苦難は去ったかと思うと俺が仕事をするターンが巡ってきた。
教育者はとかく長い話をしがちだがここはヘイトを集めないためにもできるだけ短く済ますことにする。
長時間姿勢維持し続けるのも地獄だからな。
「皆さんご入学おめでとうございます。厳しい試験を超えてきた貴方方に出会えたことを光栄に思います。この学園では身分の違いがなく、日々生徒の皆さん同士で切磋琢磨し、各々の目標に向けて努力し続けています。皆さんも身分の垣根がないことで平民貴族関係なく協力できることの恩恵を是非とも感じ、青春を謳歌して下さい」
平民と仲良くしろよという願望を込めた短い挨拶をすると雛壇から降りて元の位置に戻る。
新入生たちは主人公ともども平民と貴族が仲良く何それみたいな顔をしており、若いなあと感慨に耽る。
これから嫌でも仲良くさせてやるから覚悟しておけよ。




