探しモノ
「次はどこにいくかな。回収できるもんはできるだけすぐに回収したいもんだが」
「しかして精霊に応えることで魔法の更なる位階を獲得するに至る」
野良のチンピラを探していると空き地で聞いたことのある女の声が聞こえた。
チラリと見ると主人公の師匠役である伝説の魔法使い──マーリンがいた。
ボンボン領は主人公の主な活動エリアなのでスマホゲーのベース並みに伝説キャラとか超有能キャラとかがゴロゴロいるが、こんなところにいるとは思っていなかったな。
いやしかし白髪に紫目で他の住民と違ってヴィヴィッド過ぎて目立つなこの人。
周りの人間は全然気にしてないが派手な伝説系統の人間を見過ぎて目が慣れてしまったんだろうか。
「童、何をジロジロと見ておる?」
直視していたことに気づいたようでマーリンが平民の子供の青空教室を切り上げて、こちらに声をかけてきた。
意図してなかったとはいえ悪いことしたな。
「いえ、素晴らしい授業だなと思いまして」
「ふん! メイポンがいなくなったので仕方なくここで時間を潰しておるだけじゃ!」
申し訳なさ半分でおべっかを言うと言葉とは裏腹に嬉しかったようで目尻を下げてそっぽを向いた。
相も変わらずチョロいなこいつ。
確かに言うとおり、こいつの肩にいつも乗っている手のひら大の羊なのか、豚なのかよくわからない生物──メイポンがいない。
「探しモノですか。 僕も探し物の途中なので探させて頂きますよ」
「小僧いやに親切じゃな」
「これでもここの領主なので領民の面倒を見てくださって嬉しいんですよ。領民の恩人は僕の恩人です。では」
アピールタイムが訪れたのでバカデカい声で平民とトモダーチアピールをするとその場から離れてマーリンとバイバイする。
マーリンは魔法を悪用されるのが嫌いだからな。
今変に距離を積めると魔法で大量の人間をしばき倒していることを詰められた挙句、下手をしたらバトルに突入することになる。
こいつを地味に強いので魔法が解放されていない今やり合うのはごめんだ。
「さてさて、次に行くぞ。 ターゲット発見! イクイクイク!」




