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全てを知る女

【前回の登場人物】

「謎の女」

(種族)ダーク

(年齢)?

(能力)石化光線

(概要)ラッシャイタウンの人々を全て石像にした元凶。


 戦闘が始まる……!

 そんな状況にも関わらず、敵の女は話すのをやめなかった。


「わたくしが名乗るのには()()を早く済ませることにも繋がるのですよ。だから……」


 キィン! ガキィン! ガキィン!

 そんな中、隊長と武蔵の戦いが始まり、剣と爪のぶつかり合う音が鳴り響く。


「隣の殿方たちは激しいですね。これでは隊長さんに自己紹介もできない……」


 意味のわからない発言ばかりする女に、スライム博士は薬瓶を投げつける。

 そうだ、相手の力は未知数。だけどあの事件を乗り越えた僕たちならやれる!


「黙って拘束されなさい……。キミには石化を戻してもらいますよ」


 博士がそう言うと、女は笑う。


「スライムによる拘束……ですか。悪役のようなことしますね?」


 僕の胸の奥が怒りで熱を帯びる。

 悪役はどっちだよ……! 街の人々を石化させたくせに‼︎

 それに、「隊長以外の街の人々」ってことはおそらくピクコノさんも……! 許せない。


 僕の静かな怒りをゴハートが強烈な言葉に乗せて代弁してくれた。


「偽善者ぶりやがって……! 話が長いんだよ、おばさん‼︎」


「…………!」


 女はゴハートの言葉の後、しばらく何も発しなかった。

 あれ、地雷踏んじゃったか?笑 急に静かになったな。


 …………いや、ゴハートの存在は一般人には見えない。

 あの女は能力が強力なだけで、それ程実力がないのだろうか。彼の存在が感じられていないのだろう!


「ゴハートくん、ワタシ達が囮になりますので隙をついて大技を仕掛けてください」


 スライム博士はそう指示を出した。女に悟られないように、薬瓶で攻撃しつつも、だ。

 僕が言わなくてもゴハートの可能性に気づくなんて、流石すぎる。


 よし、これならいける! 僕は希望を見出し、囮になる決意を固めた。

 …………いや、希望なんかに気を取られては駄目だな。流石にもう学んだ。


「博士。ゴハートが見えていないという確証はない。油断しないでいきましょう……」


「…………」


 僕の呼びかけに対する博士の返事はなかった。

 あれ、無視か? モルモットに返事はいらないってか?


「博士、返事の大切さはあなたが…………! あ…………?」


 僕が博士の方を振り返ると、そこに在ったのは博士ではなく……()()()姿()()()()()だった。


「博士……? うそだ、いつのまに。なんで……」


 僕の胸の奥は激しく波打つ。


「わたくしの眼球から発せられる光線を浴びた者は石化するのです」


 女が言った。

 いや、でもそんな光線あったか……? 全く見えなかったじゃん‼︎


「はっ、まさか……。僕らの目には映らないほどの細さで……?」


「違いますよ、()()()()()。ああ、そういえば貴方は授業を受けていなかったから知らないですよね。『光の屈折』という単元がありまして……」


「ちょっと待て。なんで僕の名前を……? それに…………。あれ?」


 僕は心もボロボロになりながらも、身体に違和感を感じた。

 足が、動かない。まさか……僕まで……⁉︎


「っ……マスター‼︎」


 下を向くと、膝の高さまでの身体が石になっていた。さらに、徐々に石化部分が進行していっているのが分かる。

 ……いやだ、石になんて、なりたくない。まだ、お父さんの遺骨問題は何も解決してないのに!!


「次は貴方の番です……。失礼な幽霊さん」


 そんな中、絶望は立て続けに襲い来る。

 あいつ、ゴハートのことが見えて…………⁉︎ やっぱり……希望なんてなかったんだ。


「逃げて、ゴハート‼︎ 僕のことはもういい! もう、手遅れだ!」


 僕は咄嗟に判断し、叫んだ。





「マスター? …………くっ!」




 ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎




 ゴハートは苦言を一つも漏らさずにすぐにこの場を離れてくれた。

 やはり最高の相棒だ……。


「石化させて、僕らをどうするつもりですか?」


 目の前に立っている女に僕は話しかけた。しかし彼女は隊長の方を見ている。


「博士……カビ助くん……っ!」


 そんな隊長は、武蔵と戦いながらも僕らの方を気にかけている。優しいひとだ。

 だが隊長まで石化させられてしまえば、「探検隊」は終わってしまう。「ダークスター団」の目的が何なのかまだ分からないが、探検隊が滅べば必ず良からぬことが起きてしまう。それだけは分かる。


「隊長、僕らのことはいいんです。せめて貴方だけでも……」


 武蔵は強い。頑丈な鎧に、洗練された二刀流。能力だって未知数。

 だが隊長はもっと強い。ドラゴンとやらの翼による飛行能力に、鋭い爪。ムシ族の能力だってある。

 武蔵の能力がチートでもない限り、勝ち目は十分にある。


「あいつの言う通りにするんだな。あまり余所見していると容赦無く殺すぞ……」


 そんな武蔵の警告を受け、改めて二人の戦いが始まる。

 ……そんな時、女はそこに水をさした。そして、僕の石化も首元まで来ている。


「隊長さん……いえ、()()()()()。自己紹介が遅れましたね」


「……⁉︎  その名は隠していたはず!」


 今、女が言った……「カブリ」ってまさか隊長の本名か? 

 隊長は激しく動揺している。どうやらそのようだ。こんな形で知ることになるとは……。


「これを聞けば解るはず。わたくし……『メドゥーサ・レイブン』と申します」


 それを聞いた隊長は、さらに動きが止まる。

え、どうしたんだ? 隊長と彼女の間に何か……?


 そしてその隙をつかれ、彼は武蔵に一太刀を浴びた。彼の腕から血が吹き出る……。


 あ、ああ……! あああああああ!!!!! 隊長……僕が女を止められなかったせいで!!!


「僕に、もっと力があれば…………!」


 そして……その光景を最後に、僕の視界は完全に閉じられてしまった。

匂わせプンプン回。隊長の正体はここまで、もう少しバレないようにしたかった。



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