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飛躍は最大の防御

【前回の登場人物】

「ディグ・ピクコノ」

(種族)ドリル

(年齢)50

(能力)弱点分析

(概要)ドドリ村の農家。カビ助の旅の保護者となる。


「武蔵」

(種族)ヒト

(年齢)15

(能力)?

(概要)探検隊の命を狙う武者。


「逃げろーっ! 逃げてくれ、マスター‼︎」


「ゴホッ……ゴハート、もう、無理だよ。限界だ……!」


「体力が尽きたか……いや、病でもあるのか? まあ…………死んで楽になれ」

ビュンっ!


 僕の人生はこんなところで…………終わりなのか。


「っ…………」






しかし痛みは何も感じることがなく、目を閉じたままの時間は過ぎていく。


「あれ? え? …………生きてる!」


そうつぶやくと、隣から声がした。聞くところ、十八くらいの男だろうか。


「……ふぅ、間に合ってよかった……!」


声の主は変な形の仮面をかぶっている「ムシ族」の青年だった。


「あ……! ドラゴンマスクさん‼︎」


 彼は、いつも絶望の瞬間に助けてくれる。やっぱり最高にかっこいい……‼︎


……ところで、どうやって僕は助かったのだろうか。僕があたりを見渡してみると。

 ……そこには、青い空と小さいドドリ村が広がっていた⁉︎


「ええええ⁉︎ 空を飛んでる⁉︎」


「そうか、君たちは『ドラゴン』を知らないんだったね。私はこの仮面の力で……。いや、今はそんな場合じゃないか……!」


「『探検隊』の隊長……。逃がさん!」

ビュン! ビュン‼︎


「武蔵め……まだ斬撃を飛ばしてきやがる……! 逃げるよ、カビ助くん!」


「あ……ちょっと待ってください! まだゴハ……仲間が!」


僕がそう言うと、ドラゴンマスクさんはにこりと笑う。


「分かってるよ。()()()()に頼んで、『ピクコノさん』は運んでもらってる!」


「え……?」


そう言った彼の視線の先を見ると、ゴハートがピクコノさんを抱えて飛んでいた。


「あ、カビ助くぅん! なんかよう分からんが、おら飛んでるべ‼︎ 夢みたいだぁ!」


 そうか……彼にはゴハートの姿は見えていないから、勝手に浮いている認識なのか……。

 それにしても、普通生身で空なんて飛んだら怖いだろうに……。面白い人だべ。笑


「あれ……? てかドラゴンマスクさんは、ゴハートが見えるんですか……⁉︎」


僕がそう尋ねると、ドラゴンマスクさんは遠くの山を指さして言った。


「その事情は、ひとまず安全な場所で話そうか」




◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎




「ゲホっ! ……はぁ、はぁ」


 ここまで来れば奴に追われる心配もないだろう。


「一体、あの武蔵とかいう奴は何ですか⁉︎ ゴハートの件も……色々説明してください!」


「そうだね……。こうなってしまったからには仕方がない。事情を話そう」


ドラゴンマスクさんはまず、武蔵について説明を始めた。




「奴は、とある団体から私たち……()()()()()()()()という依頼を受けている殺し屋だ。それで、その団体の名は『ダークスター団』。目的は不明だが、各地にクローン人間を送り込んでいる。我々は探検の道中、人々に襲いかかっていたクローンを倒してしまった」


 なるほど。それで命を狙われて…………? いやいやいや、怖すぎるだろ!

『ダークスター団』。ネーミングは幼くてダサいがやってることは本当に恐ろしい。気をつけよう。


「探検隊の皆さんは人々を守るためにやったのに……そんなの逆恨みじゃないですか!」


「そうだね、理不尽だ。だがそんなことを言っても()は殺意を止めてくれない」


「っぐ…………()とは、『武蔵』のことですか?」


「そうだ。我々は数ヶ月間、幾度となく奴に襲われてきた。その度に対話を試みているが、どれも失敗に終わった。……どうやら奴には()()()()()みたいなんだ」


 感情が、ない…………。そんなの考えられないや。

 確かにあいつは絶望とか希望とか、何も感じていなさそうだった。けど、そんな人間ありえるのか? まあ、ドラゴンマスクさんの憶測に過ぎないだろうけども……。


 うーん……駄目だ。頭が痛い。他の話を聞こう。


「……それで、あなたはどうしてゴハートが?」


僕が話題を変えようと提案したため彼は察して、自身の能力についての説明を始めた。





「……ああ、それは簡単な話だ。私も『召喚者』だからだよ」


 …………召喚者? どういうこと?


「なるほど、そういうことかよ……」


僕とピクコノさんが()()()()に首を傾げていると、ゴハートは目を見開いていた。


「どうやったかは知らないが、あんたは『ドラゴン族』をこの世界に呼び出したってところだな? 『次元C』に触れた経験があるから、俺が見える、と……」


ドラゴンマスクさんはゴハートの言葉に深くうなずく。完全に二人の世界だ。

……意味のわからないことだらけの話に、僕は口を挟むことができなかった。


「あのトカゲどもを、どうやって手懐けた?」


 ゴハート……そもそも『ドラゴン族』とは何なのか、まずそれを教えてほしいものだ。

そんな僕の呆れた気持ちを感じ取ったのか、ドラゴンマスクさんは話を中断してくれた。


「一旦、こちらからも一つ質問……というより()()があるのだが……?」


彼の突然の話題転換で、ゴハートは冷静になったようだ。


「ああ、マスターたちが置いてけぼりになってたな……。すまない」


僕は彼にうなずき、ドラゴンマスクさんに聞く。


「……それで? 提案とはなんですか?」


 そろそろお父さんの遺骨について尋ねたいところだが、一旦()()とやら聞く事にしよう。


「ああ、君は以前、『探検隊に入れてほしい』と言っていたね。私はその時、危ないからと言って断ってしまった……」


 ……そうそう、そんなこともあったな……ってあれ?


「だが状況が変わってしまった。これから君たちは武蔵に命を狙われるだろう。私が今回のように毎回助けることができる保証はない……。それに、君はあの時と比べて()()()()成長しているね……!」


 ……‼︎ この流れはまさか…………!


「カビ助くん。『探検隊』に入ってくれないだろうか?」


激アツ展開キタコレ!



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