1話
パァンッ!
さっと吹きぬけた青空に、色とりどりの線が交差する。
「⋯⋯なあ、冬休みってなんだか知ってるか?」
俺――コアは、花びらが舞うように、ひらひらと踊って落ちる色紙をボーッと眺め、隣に座るエルに問う。
「知ってるよ。冬の休みのことだよねぇ」
「真面目に答えろ」
「そっちこそ、もっとまともなこと話してよ」
本日何度目か分からないため息をつくと、こつん、と頭を何かでたたかれた。
「⋯⋯ディル」
「ディル先生、でしょ? そんな、死んだような気配出さないのー」
ディルがニコッとほほえむと、俺らの近くに座っていた女子生徒たちが、はうっと息をのんだ。
それを見た男子生徒たちが、ディルに射殺さんばかりの視線を向ける。
「私、狙われてる?」
「はいはい。ディル先生は後ろに戻ってくださーい」
エルがシッシッと手で追い払うしぐさをすると、ディルはしぶしぶ戻っていった。
なーにが「はうっ」だ。
ディルが手に持ってるの、小さいけど刃物だぞ。
それに、ディルは俺の使い魔だ。
当然、先に出会った印象を優先してしまうわけで。
ディルを先生呼びとか⋯⋯うわっ、鳥肌立ってきた⋯⋯!
「おうおうっ! 一年と二年は若くていいなあ! 爆破してもピンピンしてそうだ!」
「どーせ俺みたいなのは元気ないですよ⋯⋯。三年だし、なんならもう十六歳だし⋯⋯。ああっ、俺はこのままゴミみたいに腐って⋯⋯っ!」
「ふふっ。今日の俺様も、う☆つ☆く☆し☆い☆」
俺らと一列挟んで、好き勝手し出す人たち。
前で説明してる先生は、なれたようにムシして進めてる。
あの人たちが、俺らの先輩なんだよな⋯⋯。
「期待しているよ、コア」
「っ!」
耳元で声がして、バッと耳をおさえて振り返る。
と、後ろに並んでるハルマと目が合った。
⋯⋯最近、こういうの多いんだよな。
そこには誰もいないのに、まるでおおいかぶさってるような距離で声が聞こえる。
気配はなんとなく感じられるようになってきたけど、どこにいるかが全くつかめない。
素手で煙をつかまえようとしてる気分だ。
俺は、なんでもないように愛想笑いして前を向くと、俺らの列の先頭の左の人をじっと見つめる。
何を考えてるか全くわからない彼は、俺らのクラスの総責任者だ。
今回は短めなので、本日22時にも続き投稿します!




