13話
今回は短めなので、本日22時にも投稿します!
「⋯⋯ああ。昼ご飯、食ってないから⋯⋯」
「人間は食べて栄養とらないといけないんだっけ。メンドーだねー⋯⋯って、コア赤くなってる! かわいー!」
「うっうるさい! こっち見るな!」
「写真とっちゃおー!」
「やめろ!」
魔力の壁を壊して、アルファが顔をそらした俺の正面に回ってくる。
逃れる暇もないスピードで顔をつかまれ、パシャシャシャッとスマホで連写される。
「⋯⋯おいアルファ。そのスマホよこせ。粉々にしてやる」
「ヤダねーだ。そんなことより、いいの? はやく帰らなくて。またお腹鳴っちゃうよー?」
「っ! あとでよこせよ⋯⋯っ!」
「よしっ、バックアップ完了!」
「おい!」
何がバックアップだ。
そもそも、誰がとっていいって言った。
くっそー腹立つ!
なんで顔って、勝手に赤くなるんだ!
俺はディルを、呼吸ができるように穴のあいた魔力の箱の中に入れ、ハルマを背負う。
放られていたエルをディルと同じ箱の中に入れて抱え、地面をけって高くとび上がる。
「ちょっと! おいてかないでよー!」
「家ってあっちだよな⋯⋯」
「ムシしないで!?」
俺が家に向かって建物の屋根を走ると、アルファも大人しくついてくる。
⋯⋯しれっと俺の家にくる気か。
まあ、ハルマを助けてくれたし、別にいいけど、さっきのはまだ許してないからな。
家についたら、絶対に写真消してやる!
「あっ! そうだ。今回のお礼は、コアとハルマの妖力と魔力でいいよ。サービスね!」
「俺はいいけど、ハルマって、普段魔力も妖力も使えないんだって。それに、ハルマが嫌がるかも⋯⋯」
「だいじょーぶだいじょーぶ! ラムダに吸い出してもらえばいいし、命の恩人って言えば、いいよって言うよ!」
「うっわー⋯⋯。それ、半分脅しだぞ」
「いいじゃん。悪いことには使わないって約束するよ。あたしの趣味!」
「分かってるって。信じてるぞ」
「うん!」
アルファが太陽みたいな、無邪気な笑顔を見せる。
つられて俺も、口角を上げる。
家に向かう俺らを、春風が優しくおしてくれてる気がした。




