表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12の魂〜トゥエルブ・ズ・コア〜  作者: 流暗
12の魂〜トゥエルブ・ズ・コア〜 六章
55/78

12話

「⋯⋯妖は、魔力以外の攻撃は通らない⋯⋯」

「そ。妖力と魔力を混ぜたのなんて、妖にとっては中途半端だから。致命傷でも、ガンマならどうにかできるってわけ。そのかわり、ガンマの意識も出てきちゃったけどね」


 ⋯⋯そういうことか。


 ガンマが、ハルマを死から救ったんだ。


 爆弾はきっと、ハルマが一回死んだことでもう止まってて、数十万人の人は被爆をさけられた。


 エルはそのつもりで、ハルマが死んでからアルファに助けさせたのか?


 でも、エルってそこまで考えられ⋯⋯いや、やめよう。結果としては最高なんだから。


「ガンマの魂だけないって、一時期大騒ぎだったけど、こんなところに隠れてたなんてなー。そりゃ見つからないわ」

「⋯⋯は? 魂?」

「そ。ノアちゃんだって、コアのとこに隠れてたし。妖帝様もデルタも必死に探してたのに、まさか人間側にいるなんてねー! ⋯⋯え、何その反応」

「そんなの知らない。アルファこそ、死んでも魂が残るとか思ってるのか? 夢見すぎだろ」

「死んでも? ⋯⋯アッハハハハハ! コアは本当に無知なんだねー! ラムダの言うとおりだ!」


 俺は、腹を抱えて笑うアルファに眉をよせる。


 ⋯⋯だって、そうだろ。死んだら何も残らない。


 アルファはひとしきり笑うと、なぜかはげますように俺の背中をたたいた。


「あのね、正確に言うと、ガンマもノアちゃんも、()()()()()()()んだよ」

「死んでない? まだ生きてるってことか?」

「いや? 生と死の狭間で、魂だけ残ってる感じ。だから、完全には消えてないんだけど、この世に直接干渉はできない。あと、数分で消える」

「⋯⋯なるほどな。だから、俺たちにとりついてるってことか」

「そーそー」


 よくできましたとでもいうように、頭に手を伸ばしてくるアルファを、魔力で制す。


 わざとらしく頬をふくらませたアルファは、俺をじっと見つめてから息を吐いた。


「で、何かの拍子に、宿主を通じて現実世界に干渉できるときがある。それが、さっきのだよ。あたしはきっかけを作っただけ」

「妖力を増やして、ガンマを引っぱり出したわけか」


 ⋯⋯待てよ。妖から半妖に戻っても、って、アルファは言ったな。


「⋯⋯なあ。俺も妖力を増幅させたら⋯⋯ノアの意識が出てくる?」


 そういうことだろ。

 ハルマは、ガンマの意識が出てきたんだから。


 俺は、昔の記憶をとり戻したい。


 それにはノアが関わってるみたいだから、本人に聞くのが一番だろ。ディルにも会わせてやりたいし。


 アルファは、思わぬ言葉が出てきたというように目を見開き、考えるように顎に手を当てた。


「そうだねぇ⋯⋯。ハルマの場合は血を引いてるから出てきやすかったんだと思うし、ハルマは半妖だから、完全に妖になっても大丈夫だったんだと思う。これはもう、生まれつきの体質の問題だから、なんとも言えないなー⋯⋯。それに、コアは契約で妖力が使えるようになったんでしょ? つながりはあるっちゃあるけど、ちょっと難しいかもねー」

「そう、か」


 そう、だよな。


 ハルマとガンマは血がつながってるけど、俺とノアは、仕組みもよく分からない契約だもんな⋯⋯。


「あああああでもっ、可能性がないわけじゃないよっ!? 一瞬だけ魂を具現化することくらいはできるし⋯⋯ホント一瞬だけど!」


 俺がよほど落ちこんで見えたみたいで、アルファが慌てたように、わたわたと手足を動かして俺をはげまそうとしてくれる。


 ⋯⋯なんだ。アルファもなんだかんだいって、優しいよな。


 結局、人間も妖も、そんなに違いはないのかもしれない。


 改めて実感すると、なんだか世界が明るくなった気がして、夢が近く見えた。


「⋯⋯そういえば、ハルマと戦ってるとき、ノアが見えたんだ」

「ノアちゃんが?」

「ああ。すぐ消えちゃったけど、大切なモノは全力で守れって、力をかしてくれた」

「へー! じゃあ、何かきっかけがあったはずだよ!」

「きっかけ⋯⋯きっかけか。ノアが現れる前後は、体が軽くて傷の回復もはやくて⋯⋯」

「それきっかけじゃなくて、現実世界に干渉してる効果! なんかないの!? ほら⋯⋯ノアちゃんの能力使ったとか!」

「たしかにハルマに使ったけど! 模倣(コピー)はわりと使って⋯⋯」


 ふと浮かび上がった仮説に、言葉が止まる。


 いつもと違うこと。


 それは、魔力と妖力を持ったハルマに、ノアの能力である模倣(コピー)を使ったことだ。


 俺も魔力と妖力を持ってるし、考えてみればそれぞれガンマとノアの魂がついてて、同類だもんな。


 で、その同類も少ないから、出会うことはおろか、能力を使ったことなんてない。


 自分と似たヤツにノアの能力を使ったからかも⋯⋯なんて。それ以外に思いつかない。


 黙りこんだ俺を、不思議そうにアルファがのぞきこむ。


 グウウウゥゥ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ