表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12の魂〜トゥエルブ・ズ・コア〜  作者: 流暗
12の魂〜トゥエルブ・ズ・コア〜 五章
43/78

8話

「⋯⋯で? なんでお前がいるんだ?」

「だから、私はアルファみたいに強くないから、反妖だと消されるんだよ。ラムダもいるんだし、いいでしょ?」

「よくないよ。あと、ラムダじゃないから。エルだから」


 テレビの前で行儀よく正座しながら、コントローラーをたたく、二人の背中。


 ⋯⋯えー。端的に言おう。

 同居人が増えた。


 俺は昨日、エルに抱えられたまま寝て、起きたのが今さっき。


 なんか騒がしいなって思って、身を起こしてみれば、部屋着姿のデルタが、エルと一緒にゲームをしていた。


「一晩でいろいろ進めたんだよ。明日には、ここの書庫管理人になる予定」

「いや、なんで?」

「だから⋯⋯」

「そうじゃなくて! まぁそうじゃなくもないんだけど、結界は? デルタ、入ってこれないだろ」

「あー、そんなことか」


 そんなことってなんだ。めっちゃ大事だろ。


 デルタはコントローラーを置いて体をこっちに向けると、ニヤリと口角を上げた。


「昨日食らったコアの魔力、私の体に投与した。使えはしないけど、擬態くらいならできるよ」

「えぇ⋯⋯」


 アルファもデルタも、自力で入ってこれるなら、もう結界の意味なんてなくないか?


 絶対安全な場所のはずなのに、七柱がホイホイ入ってこられてたまるかよ。


 俺は半眼になって、デルタを見下ろす。


「あ、そうだ。私もデルタじゃなくて、エルみたいな名前がほしいなー。エルはどうやって決めたの?」

「僕たちの名前はギリシャ語でしょ。だから、ただアルファベットの読みに戻しただけ」

「ふーん。それだけなのに、コアはエルが七柱って分からなかったんだ?」

「うん。コアは七柱すら知らなかったからねぇ」


 エルがあきれたように言い、デルタは目を見開いた。


 ⋯⋯なんで俺が火の粉被ってるんだ? デルタの名前の話だよな?


「じゃあ私は、ディー、かな。んー⋯⋯なんかしっくりこない⋯⋯」

「なら、ディル、なんてどうだ? エルから一文字とってさ」

「え、僕?」


 エルが驚いてる俺のほうを向くけど、もうヤケクソだ。


 どうせなら、おそろいにしてやる!


「エルから一文字とって⋯⋯うん! めっちゃいい! ねーコア、一回呼んでみて」

「え? ちょっ⋯⋯!」

「いいぞ。ディル」


 エルが立ち上がりかけたのと、俺がディルを呼んだのは、ほぼ同時だった。


 魔力が流れていく感覚がしたと思うと、パッと部屋中が白く光る。


 反射的に腕で目をかばい、光が収まってから下ろすと、エルが頭を抱えていた。


 え⋯⋯? 俺なんかした⋯⋯?


「こんなことになるなら、教えておけばよかった⋯⋯。コア、服従の意思がある妖を、本来の名前以外で呼ぶと、使い魔にできちゃうんだよ」

「は?」

「ふふふ。今日から私も、コアの使い魔だ」

「はあ!?」


 エルはハァ、と重いため息をつき、ディルはすごく満足そうにニコニコ笑ってる。


 使い魔⋯⋯ってことは、ディルをもうここから追い出せなくなったってことか。


 名前呼ぶだけで使い魔になるとか、システム弱すぎだろ。


 ⋯⋯まったく、なんでこうなった。


 こうして、俺の家には七柱の妖が二人も、しかも使い魔として住みつくことになったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ