1話
少し寒さを含んだ風が、ヒュゥゥと頬をなでる。
細長い葉が別れを告げるように、ハラリと落ちた。
もう秋だなぁ。
日の入りもはやくなって、俺ら妖倒士の活動時間も長くなってくる。
命がけだから、嫌といっちゃ嫌だけど、報酬として金が入るのは、純粋に嬉しい。
「おにーちゃん、ボールとるの、へたー。ぼくのほうが、じょうずだね!」
⋯⋯でもこれは、専門外だ。俺が相手をすることじゃない。
テンテンテン、と俺の前ではずんだボールが、届くことなく動きを止めた。
斜め後ろで様子をうかがっていたエルが、ブフッとこらえきれずに吹き出す。
「⋯⋯なんで、こんなことに⋯⋯」
無意識に、目がすわってしまう。
見渡すほどの広さもない、人気のない公園。
汚れているっていうわけじゃなく、単に活気がないから、廃れた印象を受ける。
遊具は一切見当たらず、公園を囲うように背の低い木々が並んでる。
その真ん中で、幼稚園児くらいの男の子と、二人の少年が、場違いなほど明るい声を響かせている。
⋯⋯端から見れば、そう見えるかもしれないけど。
違うんだ! はしゃいでるのは、このガキだけなんだよ⋯⋯。
俺らはとある任務で、この辺りを調べてたんだ。
偶然通りかかった、この陰気な公園があまりにも怪しかったから、入ってみた。
それで、調べてすぐに帰るつもりだった。
なのに!
後から入ってきたガキが「あそぼ」なんて言って俺らを引きとめ、面白がったエルが帰ろうとする俺を阻止して、今の状況だ。
さっさと帰りたい⋯⋯。
小さな体を精一杯大きく見せるように胸をはった少年を、恨めしげに見下げ、俺は大きくため息をついた。
今回は文字数が少なめなので、本日22時に続きである、2話を公開します!
良ければ、読んでいただけると嬉しいです!




