2、体調不良
この小説は『カクヨム』でも掲載されてます。
(しょうもない小説です。^^;)
「カメくん、どうした。首、引っ込めて。悪い物でも、食ったのか」
数学の授業中、助皮先生が首を引っ込めるカメに気付いた。
「体調不良ですう」
カメが、くぐもった声で応えた。
「そりゃいかんな。え~と、山本さん、級長だったね。カメくんを、保健室に連れていってくれないか」
教室に“ザワッ!”っと衝撃がはしった。山本みすずは、クラスの男どものアイドル的存在だった。成績も優秀で、女どもからも信頼されていた。
「先生、山本さんとエロガメを一緒にしてはダメです」
「危険です」
「カメ、何をするか分からないですよ」
「この前なんか、チ○○をぶらぶらさせて歩いていたんですよ」
「それは、言い過ぎなんじゃないか。カメくんは、体調不良なんだよ。人権侵害じゃないか」
「カメに人権なんてあるのかよ」
「そもそも、なんでクラスにカメが居るんだよ」
これは、クラスの前からの疑問だった。
「それは~」
助皮先生も、分からなかった。
「カメの特技って、知ってますか。亀甲縛りなんですよ」
「き、亀甲縛り!」
「きゃー、いやらしい~」
「ヘンタイだわ~」
「亀甲縛りって、なあに?」
女子の半分くらいは、亀甲縛りを知らなかった。助皮先生は、知っているいるらしかった。顔が赤くなっていた。
「俺も付き添います」
「僕も、山本さんを守らなくちゃ」
「俺も」
「俺も行きます」
結局、カメと山本みすずさん他、4人がぞろぞろと付き添って行った。
5人がぞろぞろと教室に戻り、授業が再開。
すると、校庭に妖怪ばばあとあだ名がある白髪老女の校医が、よろよろと棒を持ってよたよたと逃げるカメを追い回していた。
気付いた者もいたが、誰も何も言わなかった。
下らない妄想でも、文字に起こすのはけっこうやっかいです。