第1話「助けた子は人気モデルらしいです。」
ここは「私立桜花学園」きれいな白い壁に大きなステンドガラスの校舎にきちんと整えられた芝生と大きな木が校舎の周りを囲んでベンチがたくさん置いてある学園だ
僕はその学園に今年入学する1年生の「神楽 旭」中学時代に一度見に来た時に魅了を感じたからこの学校に入学することにした。こんなにきれいだからそれなりにたくさんに人が希望していたけれど幸いな事に中学時代にこつこつ勉強していたためそんなに苦労すること無く合格することが出来た。
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僕は来週に控えた入学式の為に家から学校への道を確認する事も兼ねて電車に乗って学校近くのショッピングモールに向かっていた。ショッピングモールは学校から歩いて5分程の所にある
『にしても人が多いな』
僕は普段と比べて中に人が多いことに違和感を感じた。そして少し歩いて居るとさらに人がたくさん集まっている所があることに気づいた。その時突然後ろから人混みに押されて人が集まっている所へ流されてしまった
「いいね!じゃあ次はもう少し顔を上げて目線はこっちに向けたままで!」
男の人の声が聞こえるのと同時に華奢な女の子が動いて数秒後にシャッター音が鳴った
どうやらみんなこの撮影を見るために集まっているらしい。男の人が多いのはそれが理由なのだろう
ここに居る人はみんな同じ雑誌を持っていてその雑誌に載っている人なのだろうか
観客の所には赤い線が引いてあってこれ以上は入らないようにしている
その時僕は女の子の鼓動の音の違和感に気づいた。少し顔色も悪い
『まさか!』
僕は急いで人混みをかき分けて女の子の居る撮影場所に向かった。そして着くと同時に女の子の体は少しふらふらして倒れ始めた。なので僕は飛び出して女の子の体を抱えた
「あなた誰ですか!」
カメラマンと見られる男の人はこちらを見て少し驚いたように言った
撮影中に撮影対象が倒れて急に知らない男がやってきたら動揺するし驚くのも当然だ
だが今は全てを丁寧に説明している時間は無い
「すいません、詳しい説明は後でします!とりあえず医務室に連れて行きます。関係者の人はすいませんがこの子の親御さん達に連絡をして医務室に来てください!すいません道を空けてください!」
僕は倒れた女の子を抱え上げてカメラマンさんに指示を出してから観客の人に道を空けて貰うように言うと人がどき初めて道が空いたため急いで医務室に向かった
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「じゃあ詳しく説明して貰っていいかい?」
僕は医務室の椅子に座ったカメラマンの人にさっきの事を説明するように言われた
「はい、実は僕人に流されて撮影場所の近くにまで来たんですけどあの撮影されてた女の子の鼓動の音が普通の鼓動の音と少し違ったのと顔色が少しだけ悪かったので体調に異常があると思い前の方に来た時、ふらふらして倒れそうになっていたので無意識に飛び出してしまいました。撮影の邪魔をしてしまい申し訳無いです。」
「いいや、助かったよ。こちらとしてもモデルの体調を管理出来ていなかったのは反省するべきだね。
茜ちゃんは最近人気が出てきて少し張り切りすぎて休むのをおろそかにしてしまったみたいだね」
「この子茜さんって言うんですか?」
「...もしかしてこの子の事知らない感じ?」
「...実は」
「なるほどね。この子は最近人気が出てきたモデルの「東雲 茜」今年高校1年生だよ。君も同じ位の年齢に見えるけど君は何歳なんだい?」
「僕も同じで今年高校1年生。来週から桜花学園に通うのでその確認も兼ねて今日は来ました」
「やっぱり。君かなり顔も整ってるしスラッとして身長も高いね。モデルに興味ない?」
「すいません。モデルとかはあまり興味が無くて」
「なるほどね。じゃあこれ渡しておくね、もしモデルに興味が出てきたらそこに書いてある電話番号に電話してきてね。あと茜ちゃんが起きるまでここで見守ってくれるかな。私達は今から撮影機材の撤収の準備をしてこないといけないから」
「ちょ、ちょっと!こんなあまり知りもしない男に任せていいんですか?」
「私はこれでも色々な人と話してきていてね、その人が安全な人かどうなのかは話したら分かるんだよ。
君は話し方的に紳士的で手を出さないって分かるから任せたんだ」
それだけ言うとカメラマンの男の人は眠っている茜さんと僕を医務室においてそそくさ片付けに向かった
それから30分程経って茜さんの瞼が持ち上がって青色の瞳が見えた。目をぱちぱちと開いて閉じてを繰り返した後僕の存在に気づいて驚いた表情をしていた
「お、おはようございます。体調は大丈夫ですか?」
「え、えっと...大丈夫です。それでここはどこですか?そしてあなたは...」
「あ、すいませんご挨拶がまだでしたね。僕は「神楽 旭」と言います、実は撮影中に茜さんが倒れそうになっていたのでそこを受け止めたら気を失っていたので医務室に運び込みました。カメラマンさんは機材を片付けに行ったので見守りと言うことで僕がここに残っていたんです」
「そうなんですか!助けてくださりありがとうございます。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「そんな頭を下げる必要なんて無いですよ。当然のことをしただけですから」
「そうですか...ありがとうございました」
「具合がよくなってるみたいですが体調的に1週間程仕事をお休みした方が良いですよ。じゃあカメラマンさんかスタッフさんを呼んできます、お大事にしてください」
それだけ言い残して僕は医務室から出てさっきのカメラマンさんに茜さんが起きたことを報告してかなり時間が経っていた為そのまま家に帰った。ショッピングモールに特に大事な用事がなかったため助かった
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今日は桜花学園の入学式、桜花学園は学校の入り口の両端に桜の木がたくさん植えられている。
そしてその先にあるのが特徴的な真っ白な校舎が見える。そこまでの道にはたくさんの入学生が歩いている。その中に一際目立つ人の集まりがある、その中心に居るのが青い髪に青い目をしているつい1週間前に見覚えがある人が居た。「東雲 茜」あの時倒れていたモデルの子だ、カメラマンさんに同じ年齢と言われたけれど同じ学校と言うことは教えてもらえなかった。こっちが桜花学園と言って同じ学校だと言わなかった理由はよく分からないがとにかく驚いた
その時茜さんがこっちの方向を向いて驚いた後少し表情を柔らかくして足早にこちらに向かってきた
すこし周りがざわっとした
「神楽 旭さん...ですよね。まさか同じ入学先だと思いませんでした。学年が同じとだけは教えて貰いましたが同じ学校と思っていなくて顔を見て驚きました」
「僕も驚いたよ。僕も学年が同じってカメラマンさんに教えて貰ったけど学校までは聞いて無かったよ。それよりもう体調は大丈夫?あれから安静にしてた?」
「はい!言われた通りしっかりと1週間お休みを取らさせて貰いました!もうこの通りです!」
そう言うと茜さんは両手をばっと広げてぴょんぴょんジャンプをした
『かわいい』
そう思ったけどこれは言ってはいけないような気がしたので心の中だけで留めておいた
「そっか、元気になったのなら良かった。また倒れたらだめだから次からは適度に休みを取ってね。カメラマンさんから連続で仕事をしていたって聞いたから」
「...その事は正直とても反省しています...」
茜さんはかなり反省しているようで凄く申し訳無い顔をしていた
「じゃあもうこの話はおしまい、せっかくの学校なんだからお仕事の話は無しにしよう。今からクラスの振り分けを見に行かなきゃいけないしね」
「そうですね、じゃあご同行してもよろしいですか?」
「ぜんぜんいいよ。じゃあ見にいこっか」
「はい。」
そして僕と茜さんは校舎の玄関に貼ってあるクラス分け表を見に行った
「え~っと...僕はB組だね。茜さんは?」
「わたしもB組です!一緒ですね!」
茜さんはとてもうれしそうな顔をして喜んでいた。
そしてその後僕たちは教室へと向かった。
1話をお読みいただきありがとうございます
恋愛はするより見る派なので「なら自分で作ればいいや」って事でこの作品を書きました
ぜひこれからもこの作品を楽しみにしてくださるとうれしいです