38話 ジョネス商会の隊商一行と合流
街に着いた。先に逃げたジョネス商会の隊商も、無事に街に着いていたようだ。彼らと合流する。
「お、おお。ユリウス君。無事じゃったか」
「ジョネス商会長。俺たちの不甲斐なさで、ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした」
ユリウスたち”黒き炎”の面々が、ジョネス商会長に頭を下げる。
「いや。”黒き炎”は、殿として立派な役目をはたしてくれた。感謝こそすれ、迷惑を感じるなどとんでもないことじゃ。もちろん、調子を落としておるのは心配しておるがな」
ジョネス商会長がそう言う。
「へっ。やっぱりBランクは伊達じゃなかったってことか。さすがだぜ」
冒険者の男がそう言う。彼の顔には見覚えがある。確か、ベテランのCランク冒険者だ。
「ああ。正直危ないところだったが、彼ら”白き雷光”に助けてもらったのだ」
ユリウスがそう言って、俺たちを紹介する。
「へっ。お前たちは”白き雷光”か。俺たちと同じCランクパーティだな。オークジェネラルに立ち向かうとは、なかなか勇気があるじゃねえか」
「いや。俺は支援魔法をかけただけだ。戦ったのは”黒き炎”だ」
俺はそう謙遜しておく。”白き雷光”の名声を高めたいので過度の謙遜をするつもりはないが、事実として俺たち”白き雷光”はほとんど何もしていないしな。
俺は支援魔法をかけただけ。ミーシャとニナは、ぶっちゃけただ付いてきただけだ。まあ、いざというときの予備戦力としての意味合いもあるので、まったくの無駄というわけではもちろんないが。
「ふん。見直したぜ、ユリウスよ」
「ギ、ギルドマスター……」
この街の冒険者ギルドのマスターだ。彼がユリウスにそう声をかける。ユリウスはなんとも言えない顔をしている。
「調子が悪いなりにオークジェネラルを引きつけて、隊商を逃がす時間を稼ぐとはな。なかなかの根性だ。Cランクへ降格させる件は、撤回してやろう」
「あ、ありがとうございます」
ユリウスが安心したような声でそう言う。ルフレたち他のメンバーも、ホッとしたような顔をしている。
”黒き炎”のランクを降格させる話があったのか。どうりで、以前ユリウスが鬼気迫る迫力で俺の復帰を勧誘したわけだ。
ランクを降格させられてしまうと、収入や信用面に大きな打撃を受ける。加齢による衰えなどであればまだしも、彼らのように将来を嘱望されていたパーティが降格となると、悪い意味で話題になってしまうだろう。これからは、堅実に活動実績を積み重ねていってほしいところだ。




