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29話 【ユリウスside】オーク相手にギリギリ勝てたが……

 グレイウルフとの戦闘訓練を得て、ほんの少しだけ調子を取り戻したユリウスたち”黒き炎”。ただし、その後のロイの復帰勧誘は失敗してしまった。


 ”黒き炎”は、ジョネス商会の隊商の護衛を引き続き行っている。”黒き炎”のパーティランクはBだ。当然、働きもそれ相応のものが求められている。ほんの少し調子を取り戻したとはいっても、今の彼らではBランクどころかCランクの魔物にすら歯が立たないだろう。


 ジョネス商会長は彼らの不調を不安に思い、念のため追加の護衛パーティを雇っておいた。こちらは経験豊富なCランクだ。これなら、多少手強い魔物が出てきてもだいじょうぶだろう。


 隊商は道を進んでいく。しばらくして。


「オークが2匹出た! 各パーティで、1匹ずつ撃破してくれ。ユリウス君、頼んだぞ」


「わかりました。お任せを」


 ジョネス商会長の言葉に、ユリウスはそう返答する。本当は不安でいっぱいだが、護衛依頼を受けている以上、弱音など吐いていられない。オークであれば、グレイウルフよりも少し強い程度の魔物だ。1匹だけであれば、今の彼らでも倒せる可能性は十分にある。


 ユリウス、ルフレ、ガレン、リサ、シオン。5人で1匹のオークに対峙する。もう1匹とは、別のCランクパーティが対峙している。


「はあっ!」

「ぬんっ!」

「……貫け、氷槍! アイシクル・スピア!」


 オークに順調にダメージを与えていく。そして。


「これでとどめだ! はあぁ! 火炎斬!」


 ユリウスが剣に炎をまとわせ、オークに攻撃する。


「ガ、ガアァッ!」


 オークはそう声をあげて、倒れた。これにて戦闘終了だ。今の彼らにとっては、上々の結果と言えるだろう。しかし。


「おいおい。Bランクパーティ様が、オークごときにギリギリだなあ?」


 先に戦闘を終えていたCランクパーティのリーダーがそう言う。確かに、Bランクパーティとしてはオーク1匹に時間をかけすぎている。彼が不審に思うのも当然である。


「ぐっ。……俺たちは、調子を落としているだけだ。じきに戻る」

「へっ。だといいがな。俺たちより高い護衛料をもらっているんだろう? しっかりしてくれないと困るぜ」


 Cランクパーティのリーダーは、そう言って離れていった。彼の言い分はもっともである。ユリウスたち”黒き炎”は、Bランクパーティとして高い護衛料を受け取っている。その分、戦闘などにおいてより貢献してもらわないと不公平である。


 ユリウスたちは、気を引き締めてその後の護衛任務にあたった。グレイウルフ相手の特訓の成果もあり、最低限の活躍はできたと言っていいだろう。


 しかし、それは到底Bランクパーティの活躍ではなかった。オーク相手に不覚をとりかけ、Cランクパーティに助けてもらうこともなった。


 そのCランクパーティの活躍もあり、ジョネス商会の隊商はなんとか次の街へ無事にたどり着くことができた。ユリウスたちはホッと胸をなでおろす。しかし、ジョネス商会長やCランクパーティのリーダーは、ユリウスたちに多大な不満と不信感を持つことになったのである。

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