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第8話 先輩の過去

ネテミです(^^♪


高城雅の幼少時代のお話です

次話では、楠木楽と、初めて出会った、カオスな放課後変です!


楽しんでいって下さい!

女の子の家は、割と裕福だった。

小さい頃から、欲しいものは大抵買って貰えたし、誕生日やクリスマス以外でも、言えば次の日には、机の上にプレゼントが用意されていた。

ぬいぐるみ、お人形、洋服、ペット‥色々だ。


その女の子はとても愛されて育てられた。

だがその結果、女の子はわがままで無法な性格になってしまった。


その頃から、先輩の邪悪さが芽生えていたんですね?


らっくんうるさいぞ!今は、私の回想編なのだッ!


分かりましたよ、だから消しゴムのカスを投げつけないでください!


こほん。‥しかし、その女の子は根が真面目な性格故に気付いてしまったのだ。

周囲と自分の違いを―――


幼稚園では、あまり気にならなかったが小学校、中学校に上がるに連れてだんだん周りが女の子をお嬢様と認識するようになっていった。

例えばその子が木登りをしようとしたり、かけっこをしたいといっても変な顔をするのだ。

そのたびに、女の子は少し気不味い思いを、するようになった。


やがてそれは、友達同士だけでなく家でも、同じような事が起こり始めていった。

例えばパニック物の映画を見たいとせがんでも、女の子が見るものではないと断られたり、芸人のネタで笑っていたら、下品だとチャンネルを変えられたり、クラスの面白い子の話をしても、両親の笑い方はよそよそしかったり‥‥。


そのときに、はっきりと女の子は気がついた。


―――皆が求める私の姿と今の私が違うからこうなるんだ、と―――


そう、クラスメイトが思い描くのは、成績優秀で、品行方正なお嬢様だった。

両親が求めたのは、上品な振る舞いや、生き方だった。


誰も、そんな享楽的な生き方など求めていなかったのだ。もし、そんな姿をお首にも出そうものなら、眉を潜められて、否定されて、居ないように振る舞われる‥。


だから、いつしか女の子は皆の理想を演じるようになっていた。 


例えば髪を伸ばしてみたり、言葉遣いを丁寧にしてみたりした。

必死に勉強もして、苦手だった算数も満点を取れるようになったり、週に一回クラスメイトとお茶会なんて開いたりもした。


そんな、ある日。

クラスメイトの家で、お茶席が開かれた。

その子のお父さんは、有名な茶人の先生で、その日は父親の道具を借りて、その子がお茶を振る舞った。


しかし、女の子はお抹茶をわざわざ点てて、ようやく出来上がったあんな苦いお茶を飲み回して、お菓子も出ずに挙げ句の果に結構なお点前ですねと、口を揃える様子にげんなりとしてしまった。


女の子は誰がツッコミを入れるのかずっと待っていたが‥‥ついに、誰もそんな事せず、笑って帰っていったのだった。


女の子は幼いながらに、腹を立てて思った。

―――【こんなことなら、コーラとポテチで私の部屋で女子会したほうが一億倍楽しくない?】と―――


だけど、そんな事考えているのはやっぱり、女の子だけだった。


その内に、自分でもどうでも良くなってきて、時が進むに連れ皆が求める「私」にいつの間にか染まっていった。―――お上品なお嬢様の出来上がりだ―――


今まで両親には、何不自由なく暮らさせてもらった。これは恩返しのつもりもあったのだ。

だから「私」一人が少し我慢すれば良い。そうすれば皆笑ってるし、おかしな事にはならない。それで良いんだって、女の子は自分に思い込ませた。


そのまま時は進み、女の子は高校生になった。その頃になると、「私」はずいぶん周りに溶け込んでいた。

皆が望んだ姿の具現は完成の域まで達していたのだ。成績は校内一位、運動能力も運動部と遜色ない、立ち振る舞いは先生も舌を巻くほどだった。

しかし、そんな生活も諸刃の剣だったのだ。


女の子はいい加減ストレスの限界を迎えていた。当然だろう、四六時中気が抜けないのだから‥‥‥。

素になる時なぞ、自分の部屋か、トイレくらいなものだった。


なのに、ある日女の子が、トイレに入り気を抜いた時等は‥‥

一度親に―――「みやび、もう少し静かに出しなさい」―――とドアの外から言われてしまったのだ。

女の子は恥ずかしさと情けなさに、しくしくと、涙を流した。トイレでさえ「私」でいなくてはいけなかったのだ。


―――故に、女の子はついに自分の場所を作ることにした。


こうして、女の子は演劇部を作りはじめたのだ。

しかし女の子の高校には、演劇部が無かった。だから、作るしかなかった。

そのために、毎日チラシを配ったり、ポスターを書いて張り出したり、友達に声をかけたり思いつく限りを実行した。

役の中だけでも、「私」を脱ぎ捨てたかったのだ。


そうして、女の子の日常は少しずつ、動いていく。


しかし、前例が無い事もあり、学校にはすぐには認められ無かった。

そもそも、学校に認めて貰うための部員すらも集まらなかったのだ。


結局の所、部員が5人揃わなければ認めて貰えない。けどそんな怪しい集団に自分の名前が登録されることすら、嫌がられる。

全くの手詰まりだった。


そんなときだった―――女の子があまりにあんまりな結果に、自暴自棄になり、暫定的に使っていた部室で暴れまわっていたその時―――1人の男の子が入ってきたのは―――

ネテミです(^^♪

お疲れ様です!

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