第19話 屋上にて
ネテミです(^^♪
今日は何度か投稿します!
今日中には完成させるぞ‼
昼休みの屋上。
「―――楽、私はこれでも生徒会長で忙しいのですわよ?急に屋上でご飯を食べようだなんて、どうしたんですのよ」遥先輩はこう言いながらもちゃんと、自身のお弁当を持参して現れてくれた。
俺は昨日の作戦会議通りにまずは、遥先輩を昼飯に屋上に誘うミッションを成功させた。そして、次のミッションを成功させるべく、会話を続けた。
「いや、なんだか遥先輩とまたお話したくなりまして」と、俺は言った。
「えと、それって‥‥今度こそナンパですの⁉いけませんわよ、なんだか雅に悪いですわよ‥‥」遥先輩は最後は尻つぼみになり、ごニョついていた。―――たいへん不名誉な誤解である。
「遥先輩、例の如く勘違いですよ。ただ普通に飯食いましょうって誘いですって!確かに遥先輩は美人ですし、こういう誘いは多いかもしれないですけど、そうじゃなくて普通のやつです」
「び、美人ですの⁉‥‥楽、やはりあなたは見どころがありますわ、ご褒美に私の卵焼きを差し上げますわよ」
「あ、ありがとうございます」
「昨日連絡を貰ってわたくしも少し張り切り過ぎましたわ。つい多く作ってしまいましたの、宜しかったら他のも食べてくれますか楽?」
そういうと、遥先輩は自分の可愛らしいお弁当箱とは別にもう一つ小さいお弁当箱を持っておりそこにおかずがたくさん入っていた。どうやら最初から、分けてくれるつもりらしかった。
俺達は手頃な場所を見つけると、先輩が持ってきてくれたレジャーシートを、敷き各々の弁当を広げた。
「まじっすか!嬉しいです。あ、良かったら俺のも好きなやつ取っていってください、まあ、俺が作った訳じゃないんですけどね」俺は遠慮なく遥先輩の卵焼きからいただく事にした。
「どうですの楽?あまり上手に出来てないかもしれませんわ、なにぶん誰かに食べさせる事などありませんから」遥先輩は心配そうに言った。
「‥‥うん、美味い!美味いですよこの卵焼き!先輩はやっぱり何でも出来るんですね」俺は正直に感想を言った。すると、遥先輩は相変わらずのチョロさ全開で、喜んでいた。
「まあ本当ですの!良かったですわ。お茶もありますのよ、遠慮せずに召し上がって」遥先輩は水筒からアイスティーを紙コップに注いで渡してくれた。
「ありがとうございます!‥‥これも美味しい!‥俺こんな贅沢な昼飯初めてですよ。毎日こんな生活できたら幸せだろうなぁ」
「ま、毎日ですの⁉‥‥そ、そんな事急に言われても困りますのよ‥。わたくしも忙しいしその、別に嫌というわけではないですけど‥‥」
「いや、冗談ですって遥先輩にそんな事させられませんよ。‥‥先輩が俺なんかに弁当作って貰ってたら変な噂がたったり迷惑ですもんね‥‥このからあげも最高に美味しいです!」俺は先輩のチョロさがどれだけのものか、少しだけ試したくなった。なので、一見断りつつも最後は寂しそうに振る舞ってみた、すると―――
「‥楽、その、そんなに美味しいと言ってくれるなら、たまにはこうして作って差し上げてもいいですわよ?でも、勘違いしては駄目よ、あくまでも雅の後輩だからなんだからね」
「先輩‥‥。でも、やっぱり悪いですよ。それに、あまり食べすぎると先輩のお弁当が美味し過ぎて、毎回おねだりしたくなりますから‥だから、我慢します‥」
「(ズッキューンッ⁉)駄目ですわ楽、それは反則ですわよ⁉そんな、上目遣いでおねだりなどされたらわたくし、断れませんわよ」遥先輩はいやいやと首を振りながら、顔を赤くして悶絶していた。そして、照れ隠しなのか俺の口に次々とからあげを放り込んでくる。しかし、自然とあーんまでやっている事に気付くと、更に深い羞恥の沼に沈み込んで行くのだった。
―――結論、遥先輩は心配になるくらいチョロい。
これ絶対にホストとか連れてっては駄目な人だ。確実に身を滅ぼす未来しか見えない‥‥。
「らっくん、ふざけ過ぎ」
「いや、ちょっと面白くなってきちゃって」
「あ?」
「いや、あって」
先輩は珍しくガチ気味にキレていた。まあ、この間の部室で話した時に先輩と遥先輩との仲が親密になった事もあるのかもしれない。しかし、どうもそれだけではないような気がして―――だけど俺はそこまでは流石に気づかなかった。だから、俺は話を先に進める事にした。俺は小声で先輩に言った。
「先輩、ミッション2です。よろしくお願いします」
「えー‥なんか先輩やる気出ないかも‥」
「ちょッ先輩のためなんですからしっかりしてくださいよ⁉」
「らっくんのジゴロのせいで力が出ないわ〜。私にもなんか気の利いたこと言ってくれたら力が出そうだな〜」先輩はとてもしっかりとしたジト目で俺を覗き込んだ。
遥先輩は未だに激照れの混乱状態のためしばらくは、放置しても問題ないが時間の問題である。先輩の悪ふざけに付き合っている場合ではない。しかし、こうなった先輩は意外と頑固なので、俺は仕方がなく相手をする事にした。
「分かりましたよ!!でも、どんな事を言えばいいんだか分からないんですけど」
「私が喜ぶことを言えば良いのだ!ジゴロなら余裕だろう?」なんだか普通に面倒くさい怒り方をしていた。
俺は、どうとでもなれと、ノープランで先輩に囁いた。
「‥‥先輩、なんか怒らしちゃったみたいですいません‥俺バカだから先輩が何で怒ってるか‥分からないんです。でも俺先輩がいないと駄目だから‥‥。先輩ともっと一緒にいたいです―――どうやったら許してくれますか?」俺は演技などしたことがないが、可能な限り全力でセリフをしゃべった。すると、幽霊は何故か下を向いてぷるぷると震えている―――流石にわざとらしくて怒らしたか?
「無理無理無理無理カタツムリッ!!
いかん、いかんぞ!普段ツンケンしているらっくんに上目遣いで、弱った感じでそんな事言われたら、無理あかん!!」
「先輩?どうしたんですか‥‥やっぱり俺‥‥先輩の役に立てないどうしようもない男な‥‥」
「分かった!!すぐに葵達を呼んでくるから、待っていろ!!だから、今は私に話しかけないでくれー!!」幽霊は音を置き去りに屋上のドアを透過していった。
―――あー。うん、やっぱりあなた達似てますよ。未だに照れている遥先輩を見て思った。しかし、チョロインが二人というのはどうなのだろうか?
俺は葵達を待ちつつ本当にこれで上手くいくのだろうかという不安に襲われた―――。
ネテミでした(^^♪
次は修羅場展開⁉




