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四十四、1番恐怖を感じた瞬間!

 黒い火達磨が堕ちていく。

 その行き先は森なため見失ってしまったらネックレスを探すのも大変だ。



「あった!」


 良かった! 運良く見つかった!

 近くに落ちているカラスは……こいつのおかげで見つけられたよ。うん。


 周りに何か居ないか確認してからネックレスをサッと拾う。


 すかさずポケットにネックレスを……入れ……あれ?

 重い。体の動きが。さっきもこんなことが……


「グァーーー!!」


 鳴き声の場所は上か!?

 ゆっくりとゆっくりと顔を上げる。急ごうと思っているのに上手く動かなくて全身にグッと力が入ってしまう。


 カラス! 群れが近くに来ていたのか!?


「《スロー》!」

「ガァー! 《スロー》!」

「《スロー》! グァ!」

「《スロー》!」





 あれか。




 一々遅くさせてくるのは。



 そういう魔法か。





 くっそ。



 重すぎる。




 まるで時が止まっているみたいだ。




 もしくはゆっくりと動くカタツムリを観察しているような感じ。





 ……………






 動かなさすぎる。






 確かに動いてはいる。





 だけど、



 さっき魔法をかけられる直前に見た光景からは全く動いてない。





 襲われると思って手を反射的に顔の近くに持ってきているままだし、





 カラスのほとんどはくちばしが閉じていない。




 視界の端に映っている木々や葉っぱにも動きはなく。





 唯一動いていると分かりそうなのはカラスの翼くらいだ。





 その間体の角度体勢は変わっていない。





 変わっていないというより動いてない。





 不思議と疲れはしない。





 目を開けっ放しにしているのに目が乾く気配がない。





 音も判別できない。




 多分低い低い音が鳴っている。
















 これ、いつまで続くんだ?





 ずっとこのまま?





 このまま待つしかないのか?






 このまま?






 いつまで?





 この重苦しい状態になって何分経った?





 嘘だろ?





 マジで言ってるのか?






 この状態のままずっと過ごせって言うのか?






 あの魔法がかかっている限り?







 嫌だ。






 嫌だ!






 早く!








 動け!








 鬱陶しい!








 ああああああああああああああああ!!!











 口が動かねぇ!!!











 叫べもしねぇ!!!!













 気が狂いそうだ!!!!!









 動け!






 動け動け動け!











 動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け



「動け!」

「!? すぅう……はぁあ……!」


 動いた!

 動いたぞ!

 元に戻ったんだ!

 動悸を感じる。息切れしたかのように息をめいっぱい吸ったり吐いたりする。汗もどっと流れてくる。


 カラスは飛んでいた状態から少し羽ばたいて周りの木々の枝に留まった。そのままこちらの様子をジロジロと観察している。


 マジかよ……あの状態のままずっとこっちの様子を見てくるとか鬼畜にも程がある。ただでさえめちゃくちゃ恐怖心を感じたのに。

 あの恐怖心にもっともっと長い時間晒されていたとしたら……

 うっ。考えないようにしよう……昔ネットで見た十兆年ボタンみたいだな……あれは確かまだ体は動かせたけど。

 というかカラスがこっちを見たまま何もしてこない光景も中々怖いな。あの遅延状態に追い打ちをかける恐怖心煽りか……


 はぁぁ……

 気が狂うかと思った。

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