三十四、もう1度言います!
「……あ……れ」
「ん、やっと起きたか!」
薬屋の店の一角に寝かせておいた少女が目を覚ました。
「良かったです〜!」
「わっ」
ジェーンが少女に抱きつく。回復魔法でジェーンが治療していたからな。このパーティの中でも一際助かっていてほしいという思いがあったんだろう。
それで、
「お前は年下相手でもそうなるのかよ」
「…………」
フィアは俺を陰にする……と。
「ここは……?」
「サイゾー山の頂上にある村、ゴウチ村。……の薬屋だ」
はてなマークが浮かび上がってきそうなくらい首を傾げてるな。
無理もないか。知らない土地の名前を聞いたって場所なんか分かるわけないだろう。
少女はいきなりハッとした表情になると、
「助けてくれてありがとうございます!」
とお礼を言って頭を下げた。
「大したことはしていませんよ。当然のことをしたまでです。ね、イチさん」
「ん、あー、そうだな。そうだ、これを渡せって言われたんだった」
危ない危ない。またネガティブな考えに呑まれるところだった。俺があの場でこの子を助けようと動いていたのは事実なんだから良いんだ。
また始めようとしていた脳内反省会を置いて少女にワープの紙を渡す。
「なんですか? これ……」
少女にワープの紙の説明をする。教えてもらったことを全部話しておく。何か違う説明が入って大事になるといけないし。
「という訳でそれがあると君の住んでいるところまで移動出来るんだけど……」
説明が終わったら浮かない顔になってしまった。帰りたくない理由があるのかな?
「……すみません。その紙は、必要ないです」
おっと。そうなるか。
「私は……戦う能力もないので、この村に住みます」
「改めて、ありがとうございました」
……なるほど。まぁ俺は深いことは聞くつもりは無いが。
ジェーンは少し複雑そうな顔をしながらだが、その判断を見送った。
フィアは分からん。俺の後ろにいるから。
「それで……家とかどうするんだ?」
「この薬屋に住み込みで働きます!」
めちゃくちゃ行き当たりばったりな考えだー!!
大丈夫かなぁ……薬屋の店主が良いって言うなら良いと思うけどさ……
というか他に働けそうなところがあるか確かめてから――
「この薬屋に! 住み込みで! 働きます!!」
大事なことだから二度言う奴ー!!
昨日更新し忘れたので二度更新。




