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二十五、1日歩いてタルト村!

 身体の調子は良いような気がする。体が軽くなったような感じが……?

 男の体の筋肉要素が減ったとかじゃ……ぐっ……男性シンボルが減れば減るほど自分は女だということを受け入れてしまいそうだ……


「見えてきましたよ。サイゾー山の麓にある村、『タルト村』です」


「美味しそうな村だな」


「美味しそう……? 占いが盛んな村ですよ」


 占い……占いかぁ……

 あまり良い思い出はないな。恋愛運が今月一位だと聞いたから好きな子に告白したのに振られて、しかもその話が次の日のうちに学校中に知れ渡ってて友達にすげぇ弄られたりとか……うぅ、思い出しただけで涙が出そうだ……


「そこの美人さん、美人さん!」


 ん? 何だこの婆さんは。

 フィアの事か? そんなに顔は悪くないし。


「イチさんのことだと思いますよ」


 フィアのことだと思って見ていたら呆れたような顔で訂正された。

 美人? 俺が? 何言って……あぁ、俺今女の姿なんだっけ。調子狂うな。


「あんた、名前は?」


「名前? 稲ふ……いえ、フタツです」


 あぶね。うっかり本名を言うところだった。とりあえず誤魔化せ偽名だ。


「違うね」


 ニッと婆さんが笑いながら言い切られた。

 顔とか動きに動揺が出てしまったなと思うくらいには驚いた。

 それは何故かと理由を聞こうとする前に、


「異世界人だろう? この世界ではない者だね。オーラが違うよ」


 という言葉で遮られ開いた口が塞がらなかった。

 まさか本物の占い師か?


「あ、婆ちゃんまたやってるよ! も〜、旅人さんに迷惑なんだからやめなって」


「ち、違うわ! 今回のは本物なんじゃ!」


 ん?


「はいはい。全く、何で旅人さんが来る時は真っ先に気づくのかしら」


 あれれー? 唐突に胡散臭くなってきたぞー?

 とは言え何か知っていそうではある。一応話を聞いておく必要はあるかもしれないな。


「すみません、そのお婆さんの詳しい話を聞いてもいいですか?」



 婆さんが現在住んでいる家まで案内してもらうことにした。その時、村の人には奇異の目を向けられたが気にしない。元々勇者だとかいう変な使命を持たされてる訳だし、魔王がどうので変な誓約がかかっていないとも限らない。

 この婆さんがボケてしまっている可能性も高いが未だに占い師をやっているみたいだし、願掛けに占ってもらおう。ついでに重要な話を聞けたらそれはそれで。

 とにかく、俺の生き残りを祈って、な!

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