十四、1旦退散!!
「す、すみません……イチさんにたくさんの《ロスト》を受けてもらいながら私が先に倒れてしまうなんて……」
何とか村まで戻り泊めてもらうことにした。
ドレノさんの連れだということと、討伐クエストを引き受けてくれたことを理由にクエスト中は無料で滞在していいと言ってくれた。太っ腹!
今は宿屋だ。フィアが気絶して、意外と早く目覚めたって感じだな。
「それに関しては大丈夫だ。だって俺ステータス1だし」
「いえ、危険ですよ! 《ヒトロスト》や《マクロスト》を受けたら本当に危険ですよ!?」
「ヒトロ……なんだって?」
「いわゆる体力と残魔力ですよ。どちらも完全に枯渇してしまうとさすがに死にますよ?」
え? つまりHPとMP?
「でも1は0にならないって……」
「私だって0にはなりませんでしたが倒れましたよね?」
……危なっ!?
そんな危険なことしてたのか俺!?
次から俺あんなカッコつけて前に出れねぇよ……! 特に体力は減らしたくねぇ!
「そ、それもそうだが」
「問題は敵の数が多すぎることだと思う」
あの数は明らかに多すぎる。こちらの準備が例え完璧だったとしても退却しなくてはならなかっただろうな。
「レスレスってのは普段から群れを作ってるのか?」
「うーん、私の記憶違いでなければ群れは多くても3、4匹と規模は大きくはなかったと思います。能力が能力なのでそれでも十分驚異的なのですが」
なるほどな……これは何かが裏にいるかもしれないな。
これ俺らだけじゃ不可能じゃないか? かといって国には頼めないし……
「あの規模となるとレスレスの大ボス、上級魔物の『ロストフラワー』がいるかもしれません」
上級……!
無理じゃん。やめようぜこのクエスト。
「となると、報酬もかなり出ますよ! 私、頑張るので何とかしましょう!」
「あ、あぁ……」
あああああ二つ返事で返しちゃったぁぁぁ!
「あ、いやでも――」
「イチさんは勇者ですもんね! ビビりですけど」
こいつ……! 戦闘中やたら素直だったのなんだったんだよ……!
「でも、それでも前衛をしてくれましたよね。私はまだ〈ファイア〉しか使えませんし」
「……そんなこと気にすんなよ。新しい杖も買えて強くなれたんだろ?」
前衛か……俺以外で任せられる奴が欲しいな。現状俺が盾で何とか敵を凌ぐ方針で行ってるが、ステータス1なことを考えると必ず限界はあるだろうし。
それにしてもこいつ、俺を煽る癖にそんなこと考えてやがったんだな。使える魔法を増やす方法とかも魔法使いだから知ってるだろうし、前衛を探すついでにフィアの特訓でも何でもやってやるか。
「兎にも角にもこのクエスト、時間はかけてもちゃんとクリアしようぜ」
「はい!」




