十三、1体1体は弱くとも……!
右……!
左ぃ……!
次も左……!
遠くから右!
煙の速度は正直子供の頃クラスの皆とやってたドッジボールの速さくらいだから距離を取ってれば見切って何とか受けられるが数が多すぎる!
「レェ! 《アタックロス》!」
「《ディフェンスロス》!」
「〈ファイア〉! 〈ファイア〉! 〈ファイア〉!」
「《ファイアロス》! レ!」
「《マジックロス》!」
それに対してフィアの〈ファイア〉の方が速さ、威力は勝ってるが球の大きさは煙より小さく、何より煙に当たると相殺しやがる!
「フィア! 落ち着け! 俺が盾で足止めした奴を一体ずつ狙え!」
「了解です!」
つっても、近づくにはこの煙の弾幕を受けながら近づくのは厳しいところ……!
こいつらは恐らく対象となるものに魔法をぶっぱなしてるわけで、俺を狙ってる時とフィアを狙ってる時で煙の行く先は変わっているはず……
「レェェ! 《マジックロス》!」
今のは魔法力を減らす魔法! よってフィアへの狙いだ!
煙を掴むようなものだとは言うが、ここはファンタジーなんでね……! 触れることに意味がある!
手を伸ばしてばしゅっと消して……次が来る前に目の前のレスレスに盾タックル!
「フィア!」
「〈ファイア〉!」
命中! よぉーし! 火から離れて……
「レ! レ!」
「《ファイアロス》!」
――――! 別の奴が――しまった! 火が減るのはまずい!
煙を……ダメだ……間に合わなかった!
「すまんもう一度!」
「はい! 〈ファイア〉!」
「……っ!」
フィアが疲労している……! HPの他にもMPはあるから……弾切れが近いのか!?
「レェェ!」
「レェ! 《ファ――」
「っだらぁ!」
消火活動なんかさせるかよ! 一体でも減らさないとこちとら勝機ねぇっての!
あいつは焼き切られろ……!
「レエエェェ……」
くっそ……! こんなのが本当に下級なのか……!?
全然強えじゃねぇか!
「はっ……はっ……」
フィアの限界が近そうだ。
ダメだ! もう引くしかない!
「全滅は不可能だ! 逃げるぞフィア! 自力で動けるか!?」
「はっ……はぃ……!」
ヘロヘロっぽいが動けそうだ。最後の力を振り絞ってるかもしれんが。
「レ? レ? レ?」
「レェェェ!」
「レェスレス!」
何言ってっか分かんねぇけど逃がさねぇって言ってんだろうな。
うおわ! 触手を伸ばしやがった!
「フィア! 最後の一発頼む!」
「っ……〈ファイア〉ァ……!」
「レッ……!」
ハッ! 煙を飛ばすのやめたら〈ファイア〉を相殺出来ねぇだろ! 役割分担もせず思い思いに動いてるからそうなるんだぜ! だから下級なんだよお前らは! ……と思いながら逃げる準備。
この怯んでる間に俺らは逃走だ! ってフィアがもう倒れそうだ、というか倒れる!
担いで行くか。もう口をきく余裕もなさそうだし仕方ない。
追え……てなさそうだな。良し。
しっかし、どうすっかなーあの数。毎日通って少しずつ減らしていくか。
村に頼めば泊めてくれっかも。
あー、こういうのは後で考えるか。今は村に戻るのが優先だ。




