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不死者  作者: 紫崎 蒼
第一章 彷徨の森
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第二十六話 相性最悪⑥

 俺は一旦後ろに飛び退き獣から距離をとる。

 今無理に攻める必要はない。それにあとはおっさんの仕事だ。


「お前が殺れ」


 ここまでお膳立てしたんだ。断る理由はないだろう。


「いやいや、この調子であんたが殺った方がいい気がするけどな」


「ふざけてるのか? お前が一人じゃ倒せなさそうだったから手伝ってやっただけだ」


 言い終えると同時に獣の爪が俺の頬をかすめた。


「モテモテじゃねえか。こりゃあんたが適任っつーことだな」


 確かに獣はずっと俺にしか攻撃してこない。だからといって俺が適任、ということにはならない。

 俺と獣の間におっさんを立たせるように動くが、獣の攻撃はおっさんを無視して俺に全て向かってくる。しかもおっさんは俺の考えを読んでいるのか、間に立たないように獣の背後に回っている。

 ちょろちょろ動いてめんどくさい。

 俺はガキの脚をおっさんの腹に振り当てる。おっさんの身体は吹っ飛び、木にめり込んだ。

 俺はすぐにおっさんを追いかけ、めり込んだ身体を引きずり出す。そして動かなくなったおっさんを獣に向けて投げる。が、やはりと言うべきか。獣に当たることなくどこかへ飛んでいった。

 思い通りにいかず深くため息をついた後、俺はガキの脚を獣の顔に振り当てる。

 また溶かされるだろうと思っていたが、今回は違った。ガキの脚は引き裂かれバラバラになっていたからだ。

 準備する時間を与えてしまったのか、行動が予測されたのか。どちらにせよ俺の武器が足首から下しかないことが問題だ。

 投げるくらいしか使い道がない。それに投げたとしても当たるかどうか分からない。

 獣の横を走り抜けおっさんの元へ駆け寄る。


「おい、起きろ」


 肩を揺らし声をかけるも返事がない。


「なら死んどけ」


 俺はおっさんを思いっきり上に投げ、後ろに飛び退いた。

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