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1.転生


 朝。今日は俺の誕生日だ。だからどうってわけでもないけど、皆が俺を祝ってくれるというのはやっぱり嬉しいもんだよな。


「ダイキ!18のお誕生日おめでとう!」

「あはは、ありがとう。母さん」

「おお!ダイキももう18かあ。おめでとう」

「父さんもありがとう」

「兄ちゃん、おめでとう!」

「ありがとなー、ハルキ」


 家族から祝いの言葉を受け取り、皆で一緒に朝食を食べ始める。


「ダイキ、今日は帰ったら誕生日プレゼントあげるからね」

「やだなあ母さん。俺もうそんな歳じゃないよ」

「ふん、何を言ってるんだ。俺からみればまだまだ子供みたいなもんだ」

「父さんまで......」


 まあもらえるなら嬉しいけど、何だかなあ。


「それだけじゃなくてパーティーもだろ?母さん。今日は早く会社上がらないとな」

「ええ、ダイキのために色々美味しい料理を作って待ってるわ」


 おお!それは楽しみだ。それなら今日は寄り道せずに早く帰ってこないとな。


 そんな話をしながら皆で朝食を食べ終わり、俺は支度を済ませて高校へと向かう。


 俺の高校は近所にあるので通学手段は自転車だ。リュックを背負って自転車を漕ぐと風を切る感覚と音が気持ちいい。


 しかし、そんな時だった。






「おい!危ない!!!」





 気付いた時にはもう遅かった。居眠りなのかてんかんなのかそれは分からなかったが、歩道にはみ出してきたトラックに俺は、轢き殺されてしまったのだった。



















 ってあれ?なんで俺、記憶があるんだ?......うう、建物とトラックにすり潰された記憶がはっきりとあって気持ち悪い。


「あー、それはあなたが転生者に選ばれたからですね」

「え、だ、誰ですか?」


 ふと声がした方を見ると、なんだかやる気のなさそうな顔でこちらを見ている誰かがいた。


「うるさいなあ、誰だっていいでしょう。とにかく、あなたは転生するんです。じゃあお達者で」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!もうちょっと説明とか、うわああああ!!!」


 気だるそうな顔をした女神?に杖を向けられた俺は、ぱあっと明るい光に包まれ、意識を失った。


















「生まれましたよ奥様!元気な赤ん坊です!」

「ああ!愛しい我が子!私に顔を見せておくれ!」

「見てください奥様、凛々しいお顔ですよ」

「まあ本当!私に似てるのではないかしら?」


 うん、本当に転生したみたいだな。おぎゃあおぎゃあと泣いているのは俺だからな。


「では早速スキル鑑定をいたしましょう」

「ええ。きっと素晴らしいスキルを持っているに違いないわ」


 スキル鑑定?何だそれは。


「ふーむ......。残念ですが、スキルは何もないようですね」


 ん?なんだか分からないがスキルとやらを俺は使えないのか?


「そう......まあ魔法が使えればそれでいいわ。じゃあ魔法鑑定の方もよろしく」

「はいでは......。ううん、残念ですが、魔法適性は何もございませんね」


 魔法適性がないってことは、俺は魔法が使えないのか⁉︎


「ということはスキルも使えないし魔法も使えないということでよろしいかしら?」

「まあ、そういうことになってしまいますね。魔力もほとんどないようです」

「ふう、ならもうこんなゴミは必要ないわ。婆や、あなたがコレの世話をしなさい」

「ええ、分かりました」


 え、いきなりゴミ発言?ちょっとそれは酷すぎないか?


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