ファンタジーのエルフについて、考察す。
需要あるといいなぁ……。(遠い目)
・エルフの耳
特徴的な長耳は、間違いなく聴覚に優れた証拠です。
耳がよく、音に敏感な能力の持ち主といえます。
狩人としての性質と相まって、小さな音でも、そうそう聞き逃さないでしょう。
・エルフの弓
エルフは古来より、弓矢に優れた技術を持っています。
これは即ち、狩猟技術と文化があり、肉を食べる生活習慣があるということです。
エルフは元々、ヨーロッパで生み出された空想種族で、ヨーロッパは今でこそ土壌改良に成功して農業も盛んですが、古来より長い長い間、土地が痩せており、狩猟や牧畜によって肉を食事の中心に据えることで生き長らえて来た民族です。
当然その遺伝子はエルフに受け継がれているのです。
弓が得意な菜食主義という妙な設定が生える事がありますが、それ仏教の影響ですぜ。
菜食主義なら狩猟道具いりませんよね……。
また、森林の中での生活が一般的、または伝統的なので、弓は取り回しよく、周囲に引っかからない「短弓」が基本となります。
もし、長弓がある場合、それは人との戦争で発達したと考えられます。
・エルフの直槍
森林の中での狩猟において、大物相手に「短弓」では、力不足な事があります。
そんな時に用いるのは、槍になるはずです。
投げたり、突いたり、魔法で飛ばしたり、といった用法が狩猟時の基本でしょう。
蛇足でありますが、個人的には象徴となる特徴も欲しい。
よって、穂先は、先の尖った縦長楕円といった笹の葉形状に、厚み有る蛤刃の、頑強かつ切れ味もそれなりのものとし、「エルフの笹槍」と称したい。
穂先の長さは21cmほどで、槍の全長は、使い手の身長+穂先の長さとす。
笹はブナの下生えが多く、熱帯~冷寒帯に生えている植物で、発祥地のエルフの鍛冶師が笹槍と称した事で広まった。
・エルフの短剣(剣鉈)
森の中での行動において必要な、枝払い、獲物の止め刺し、いざという時の護身武器として、用いられるもので、刃部は「30~40cm」くらいの物になるでしょう。
・エルフの小刀
採集や狩猟した獲物の解体などに用いる用途ごとのナイフ各種です。
・エルフとミスリル
エルフは、魔法金属ミスリル(ステンレスではない!)の優れた加工技術を持ちます。
ということは、精錬、抽出、鋳造、鍛造、冶金といった鍛冶技術、即ち金属加工技術を保有し、運用しているということです。
よって、鉄や金属を嫌うというのは無理があります。
狩猟において、獲物に金属の匂いを察知されたくない、という状況における理由なら別ですが、その状況理由、エルフに限った話では無い筈ですよ。
ちなみにドワーフの原型の一つであるドウェルグは、黄金色の魔法金属の加工技術を持っていますが、真鍮? なんて疑問を抱いてはいけませんw
もちろん、オリハルコンやヒヒイロガネが青銅かも? なんて考えてはいけませんw
いいですか? 魔法金属はあるんです!!
・エルフと森林管理
樹木や森林の、健全で理想的な生育環境を、研究すればするほど、間伐と植林による林業と里山的な管理手法の必要性に辿り着きます。
結果、9~11種くらいの有用樹木の植林と、その他の果樹園の作成に辿り着くでしょう。
鬱蒼と生い茂らず、ある程度視界が通り、風も通り抜ける澱まぬ空気の健康的な環境になりがちです。
育った樹木の間隔は、約2~3mくらいでしょうか。
迷宮的結界を作るには、非常に魔法的な手法が必要でしょう。
・エルフと妙薬
エルフには、妙薬がつきものです。
よって、優れた薬術を保有し、採集技術に優れ、尚且つその技術の研究と活用を考えれば、薬草園を作成し、維持管理しています。
人工栽培し難いものは、森林の中で採取する形になるでしょう。
・エルフと農業
果樹園、薬草園とくれば、畑作ぐらい取り入れているでしょう。
森林の中の一角でという条件を考えれば、穀物は、芋と豆になるでしょうか。
その他、葉物野菜に根菜、茸の栽培なども、行っているでしょう。
・エルフと酒造り
果物と芋(炭水化物)が取れるならば、涼しい森の中は、酒造りに最適な環境です。
また、殺菌効力の強い香辛料などが採れるならば、漬物の類の発酵食品もある筈。
・エルフと塩
生きるのに必要な塩。エルフはどうやって手に入れているのか。
近くの岩塩地帯を知っていて隠しながら利用しているのか。
森林の一部に接しているか、森林から近しい場所に海があるのか。
海近くのエルフ族か、他の種族との交易で手に入れているのか。
居住地域の立地環境によって異なることでしょう。
・エルフと布
農園の構築が成されるということは、衣類の基本となる素材元の植物も、当然栽培されていることでしょう。
また同時に、機織の技術も発展し、糸や布以外にも、ロープの製造も行われると思われます。
ひょっとすると、植物紙の製造も、行われているかも知れません。
・エルフと炭
不用意な山火事を嫌うなら、恐らく発達しているであろう、炭造りの技術。
また、限り有る木材資源と炭の有効活用を考えるならば、何らかの形式の窯や竈の作成技術も研究開発し、保有しているはずである。
これによって、料理にバリエーションが生まれる事だろう。
・エルフと陶器
金属加工技術とそれに不可欠な炭造りの技術が発達しているならば、当然保有していると思われる、陶器を作る技術と、その為の窯造り。
陶磁器かはさておいて、陶器は製造、利用している事でしょう。
酒造りや漬物作りにも便利です。
陶器製のブロックを、レンガとして製造、利用しているかも知れません。便利だし。
・エルフと家
ツリーハウスが有効かどうかは、その場所の生態系と危険生物によって変わってくるだろうから、なんともいえませんが、効率や利便性、維持管理を考えると、床位置を高くした高床式住居の方が良いと思われます。
巨木の洞を利用した住居は、雷の被害に遭い易く、危険な為、神殿などの何かを祭る用途の施設に向いていることでしょう。
背の高さがあまり育たず、横幅のみが巨大になるような樹木ならば、住居として使えるかも知れません。
エルフの住居は、基本的に木材や土材(漆喰、タタキ、コンクリートなどの類)を用いた物になると思われます。
森林地帯である為、加工し難い石を使う必要性に乏しい為です。
・エルフと魔法と文明
今まで上に挙げた考察は、エルフの文明として最低ラインのものです。
時代が進み、技術と文明が発展すると、魔法や魔導具の研究開発も進む事でしょう。
生活や、上に挙げた事物に関する、作業の簡略化や代替を行ってくれる魔法や魔導具が生み出されていく筈です。
我々に身近な、家電やチェーンソーに農業の補助機械などです。
エルフは長命種なので、人口が増えにくく、徐々に人手不足に悩まされるようになるでしょう。
また、時代が進み、技術の発展や食料の安定供給が起こるのは、エルフ以外の人類種にも同じです。普人族や獣人族といった存在が居る場合、彼らの人口は爆発的に増加し、周囲の探索や開拓が進んでいく事でしょう。
こうなれば、必然的にエルフも他人類種との接触が増え、人類種間にその存在が大きく周知されていくようになります。
この二つの事から、エルフも領土防衛に力を割かざるを得なくなり、ゴーレムや魔法生物の研究開発や、一部の魔物との共生や飼育に着手するようになっていきます。
・エルフと剣
森林の外の他人類種との争いの中で、刃部が70cm前後の剣の試作研究が始ります。
カットラスやハンガー、ファルシオンにヤタガンといった、徒歩戦闘で相手と激しく打ち合う事も想定し、頑丈で、森林内でも取り回しの良い武器が発達していく事になります。
レイピアは、魔法やクロスボウ、銃火器といったものが発達し、フルプレートアーマーが貫かれてしまう為に役立たずとなり、全身金属甲冑が用いられなくなった場合に、対人武器として登場してくることでしょう。
※エルフの政治的なあり方や部族・国といった集団のあり方は、物語毎に異なってくる事でしょう。
ただし、重要拠点を除き、狩猟採集も行う民俗である限り、獲得可能な資源量の問題で、通常の居住地の人口は、大きくても千人以下で、小さければ二百人以下であることでしょう。
よって、一集落は、村や郷といった規模であると考えられます。
以上、エルフについての文化的考察でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
これはあくまで参考資料です。この通りにしなくちゃならない! という訳ではありません。
独自の解釈、独自の技術や文化の導入、大いに結構!
ただ、矛盾がないように、きちんと考察はしておいてね、とお願いするものでございます。
もし貴方の参考になったなら、幸いです。
出会えた好き物語と、これから出会う好き物語に、乾杯♪