表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なぞるだけの私

作者: チャゲ

私は小さい頃から出されたものをなぞっている。あれをした方が良いのではと言われたら、それをなぞってみた。これをやった方がいいんじゃないかと言われたら、それをそのままなぞった。しかし、私は不器用でうまくなぞらなかった。でも、そのなぞったものは不出来でも大丈夫だった。別にやり直さなくても出せた。だから出した。

でも、最近は不出来なものは受け入れられなくなった。出された相手のことを考えろと言われた。私なりに考えて出したがやり直しと指摘を受けた。直してまた出した。それでもダメだと言われた。なぞるだけではダメだと言われた。私はなぞることしかやってこなかったのでそう来るとは思わなかった。なぞっていて気がついたのだが、どうやら最近は色がつくのが主流らしい。私は色を1色しか持っていなかった。誰かが色を用意してくれると思ったが、誰も持ってはいなかった。

仕方がないので色を探しに行こうとしたが場所が分からない。どうしようもなくなった。

やけになって自傷行為をした。私は驚いた。私の身体から色が出てきたのだ。皆こうやって色を出していた事に気がついた。翌日私は色をつけて出した。どうやら受け取ってもらえるようだ。なぞったものに色をつけるだけで良かったのだ。そして、また同じ色でなぞって出した。しかし受け取られなかった。

どうしようかと考えた。ふと、他の人の色が気になった。試しに近場の人を傷つけてみた。違う色が出てきた。なるほど、他の人から取れば良いのだと気がついた。そして、私のなぞったものはカラフルに仕上がった。

カラフルなものをまた持っていった所、受け取ってもらえなかった。仕方がないので、色を探そうとしたが、近場に新しい色はもうない。いや、ちょうど目の前にあったのでその色を使う事にした。しかし、作ったは良いが出す相手がいなくなってしまった。

困った事だと、私は嘆いた。仕方がないので他に無いか探した。途中に色があったので採取しながら私が作った物を受け取ってくれるところを探す。まだ、受け取ってくれる所は見つかっていないがきっと見つかるはずだと思いながら私は歩み続ける。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ