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第67話「空の樽ほど音が大きい」
クリスマス、サンタさんに何を貰った?
「ゲーム」
回ってきた有り触れた質問に、当たり前のように嘘を吐く。本当はゲームなんかしたことないのに、悪い子はこうやって嘘という口舌を重ねていくのだ。
愛される子供と、愛されない子供の違いとはなんだろう。愛嬌? いじらしさ? 守ってあげたくなるような雰囲気? きっと、それは愛される女性の条件と同じなのだ。
——良い子にしてたらサンタさんがやってくるよ。
大人は嘘吐きだ。俺も嘘吐きだが、大人という生き物は、大概嘘しか吐かない。汚泥に塗れた世界を美しいと諭すなら、俺にもその薄汚れた仮面の売場へと連れて行ってくれ。
親鳥の跡を付いて回る雛鳥のように、宝探しに行く子供のように、嬉々としてあげるよ。それが見たいのならば精一杯喜んであげる。けれども、俺の家にサンタクロースなんていない。
——ほら今日もブラックサンタの時間だ。




