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第四十五話。エリーゼのために (執筆スライムさん)
我流先生の道場の前で、猫柳師範はバッタリと犬神師範と出逢った。
「む? 猫柳か。まさかお主のところにもエリーゼが?」
「犬神! そっちにもエリーゼが来たんじゃな!?」
犬神師範は黒い道着に赤い帯。猫柳師範は白い道着に黒い帯だ。
「ああ・・我流先生の件でな」
「とにかく、道場に入るとするかの・・」
二人が道場に入ると、道場は明かりが消えて真っ黒だった。
派手な香水の香りがする。
「この匂い、確実にエリーゼのものだな」
「ああ。しかも新しい」
猫柳師範が道場の明かりをつけると、そこには我流先生の死体と思われる体があった。
絶句する猫柳師範の肩を、犬神師範は無言で叩くと、言った。
「取り乱すな、猫柳。わしは想定していた」
「すまんな犬神・・」
猫柳師範は涙腺を潤ませながら、後ろを振り返った。
犬神師範は既に振り返っている。
「「でてこい、エリーゼ!」」
二人は同時に言った。
「ほほほ。二人の気の波長があってるわね」
エリーゼは赤いドレスの胸元から、カードの束を取り出した。
「我流でも満足できなかった私を、あなたたち二人なら、満足させられるかしら?」
エリーゼの外見の美貌とは似つかぬ、年相応の微笑みだったが、どこか妖しさがあった。




