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由佳子と空手(リレー小説)  作者: たつき+ラビリンスコーヒーLv1
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第三十三話。VSカンピーネ (執筆たつきさん)

「なんだと!?」

 普段は温厚な卓郎も、驚きを隠せない。

 まさか、猫柳師範が、自分よりも前に弟子をとっていたとは。

「ふっふっふ。驚いたか?」

「1番弟子は自分だぁ!」

 卓郎は猫柳師範の見よう見まね発勁を打った。

 だが、その衝撃はカンピーネの両手に吸い込まれていった。

「ふむ。所詮、猿真似か……」

「なんだと?!」

 カンピーネは口元を歪めると、卓郎に逆に発勁を叩き込んできた。

「発勁倍返し!!」

「ぐはぁっ!」

 卓郎は場外にまで吹っ飛ばされた。

 リング外で仲間たちの声が聴こえる。

「卓郎先輩、頑張ってください!」

「卓郎くん。頑張って!」

「卓郎さん、絶対負けんなよ!!」


 やっとの思いで、卓郎は這いずるようにリングロープをくぐり、リングの中に戻ってきた。

「僕は猫柳師範の最初の弟子じゃないかもしれない! でも1番弟子は僕だ!!」


 卓郎の脳裏に、猫柳師範との思い出が蘇る。

 一緒にお茶漬けを食べたこと。

 猫舌なことをからかわれたこと。

 辛い修行に耐えたこと。

 犬派か猫派かで揉めたこと。


 会場の隅で、猫柳師範もその様子を、険しい表情で見つめていた。

「卓郎……! そうじゃ。お前が1番弟子じゃ……!」


「へっへっへ。オレは破門されたから、どうでもいいけどな」

 八双の構えをカンピーネはしている。


「なら、オリジナル技だ!! 受験スペシャル!!」


 卓郎は辛い受験勉強の怨念を、右の拳に乗せて、解き放った。

 それは、プロのボクサーの右ストレートより、綺麗な放物線を描き、カンピーネの頬に炸裂したかにみえた。


 だが、カンピーネは、首を捻って頬に密着した、卓郎の拳ごと、卓郎の体を投げた。

 卓郎は、宙に一回転して、着地して、なんとか事なきを得る。


「危ねえ! アイツ、頭から落とす気だったぞ!」

 神竜寺俊哉は、その悪意を察知して、勇気に言った。

「なにかしら、怨恨があるらしいな」

 本元勇気も、同意しつつ、意見を述べた。

「でも、さっきから何か気になるんだけど」

 由佳子は疑問を口にした。

「そう言えば、カンピーネは、自分から一度も攻撃を仕掛けていない!」

 由佳子の弟の叫びは、卓郎にも聞こえた。


「自分から攻撃を仕掛けない……わかったぞ!」

「な、なんのことかな?」


 カンピーネの浅黒い肌から、脂汗が出ている。

 そう、カンピーネの秘密。彼は、カウンターの達人。

 ならば、勝ち方は簡単。


「はぁ〜!!」


 卓郎は思いっきりタックルで突進した……と見せかけて、カンピーネを全身でホールドした。

「くっ! 離せ! くっつくな! バカ!!」


 密着して、分かったがカンピーネは思ったより、体が柔らかかった。

 というか、女子だった。


「な、女だったのか!?」


 これから、カウンターを封じてから、一気に裏投げで倒すつもりだった卓郎は慌てた。


 その一瞬の隙を突いたカンピーネの、ハイキック。


 卓郎は、ドサッとリングに倒れた。


「女で、何が悪い!!」


 カンピーネは甲高い声で、侮辱のジェスチャーをした。


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