第二十八話。決勝戦開始! (執筆ラビリンスコーヒーLv1)
「ようし、もう傷は大丈夫だ。これも皆の手当のおかげだ」
俊哉は皆に自身の回復を告げた。
「分かったわ。じゃあ、連絡を取るわね」
由佳子は大会本部に連絡を取った。
すぐに医務室に大会関係者がやってきた。
「もう、大丈夫とのことで、では早速試合を開始したいと思います。準備の方お願いします」
「オス!」
皆そう返事した。
由佳子達が会場に姿を現すと、激しいブーイングが起きた。
「ブーブー! ブーブー! ブヒブヒー!」
ブーイングに混じって豚の物まねを入れるふざけた観客もいたが、由佳子達はいたって冷静だった。
「あんなブーイングは、ブヒイングは気にしないで。私達は観客や相手に惑わされないで自分達の力を出し切りましょう」
「ああ。そうだな」
会場に入った由佳子達の前に、この間のクレープ店で会った魔堕天が姿を現した。
「よう、俺のこと覚えているか?」
重低音の声で話しかけてきたのは、あの巨漢の大和だ。
「よう、俺のことを覚えているか?」
「いや、誰だか覚えていないな」
勇気が大和を挑発するように言った。
「な、ななな。何だと。覚えていないだと? ふざけやがって。まあ、あの時は油断した。だが今度はお前を返り討ちにしてやるぜ。なあ、お前達は猫柳道場の門下生なんだってな」
「まあ、まだちょっと練習しただけだから正式な門下生ではないけどな」
「ふんっ、似たようなものだ。俺達はお前の師範のライバル犬神師範の門下生だ。つまり、どういうことか分かるよな」
「気が……使えるのか」
卓郎が言った。
「そうだ。つまりあの時は油断していたが、今度はそうはいかん。今度は初めから気を使い全力でお前達を叩き潰す」
「上等だコラ」
俊哉が言った。
「お前達の先鋒は誰だ?」
「僕だ」
真吾が言った。
「くっくっく。楽しみに待っていろよ」
見下したような、(実際上背があるので見下しているのだが)態度の大和を真吾が睨み返した。
そして、真吾はリングに上がった。
魔堕天の先鋒は嫌味ったらしい雰囲気の男で、それを具現化したかのようながりがりの骨だらけの男だった。




