第二十三話。ストロンゲストファイターズ開催! (執筆たつきさん)
五暴連を束ねる、謎のじいさんの正体も掴めぬまま、大会当日になった。
いつもは陽気な猫柳師範も、お茶漬けを食べる手が震えている。
「あいつら、大丈夫かの……?」
ストロンゲストファイターズの大会には、大勢の観客が集まった。
観客たちは、由佳子たちを見て、失笑した。
「なんだ、女までいるじゃないか?」
「あんなので勝てるつもりかっ!」
「一回戦、せいぜい頑張りな!」
観客たちは勝手なことを言っている。
「みんな、ああいう声は気にしないで! 一回戦は、プロレス研究会との戦いよ!」
由佳子は声を張り上げ、チームを鼓舞した。
「では、先鋒、前へ!」
アナウンスの声に従い、由佳子の弟の真吾はリングサイドに入った。
真吾以外のメンバーはリングの外で、目を凝らして見ている。
「オス!」
真吾は鬼の覆面を被り、気合を入れた。
相手は、プロレス研究会の先鋒だ。プロレス研究会の中では、小柄な体格だった。
「レディー? ファイト!」
レフェリーが試合開始を告げる。
真吾の相手は、背中に小林と書かれているので、小林という苗字なのだろう。
小林は、真吾にいきなりタックルを仕掛けてきた。
「うわっ」
真吾は打撃のセンスはあるが、組技は専門外だ。
初めてのタックルをくらい、押し倒された。
しかし、即座にボクシングで鍛えた腕力で、横にどけた。
「チッ」
相手は舌打ちをして、再度タックルを仕掛けてくる。
(そういうのをバカの一つ覚えっていうんだよ!)
真吾はタックルのタイミングを完全に見切って、顎をアッパーで撃ちぬいた。
相手はたまらず、ダウンした。
「1、2、3」
「9、10!」
レフェリーが、両手を降って、試合を止めた。
「まずは、一勝か。勇気、頑張れよ」
俊哉は勇気に声をかけた。
一瞬、勇気はキョトンとした。
俊哉のことを不良だと思っていたが、根は良い奴だなと思った。
「まぁ、疲れない程度に頑張るよ」
「ケッ、澄ましやがって」
勇気の思いも知らず、俊哉は悪態をついた。
由佳子はそんな二人を微笑ましく見ている。
「では、次鋒、前へ!」
会場のスクリーンに、本元勇気VS荒川優と大きく映しだされた。
荒川優という選手は、なかなか大柄な選手だった。身長180はあるだろう。
体重も見た目からして、100kgは超えている。




