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由佳子と空手(リレー小説)  作者: たつき+ラビリンスコーヒーLv1
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第二十二話。由佳子達、家に帰る (執筆ラビリンスコーヒーLv1)

「ば、馬鹿な。攻撃が当たらない」

 次々と繰り出す攻撃を見事に躱す勇気に大和が焦ったような口調で言った。

 勇気は焦った大和を見て、今がチャンスと思い、右手に気を集中させて必殺技を放った。

「はああっ! 心眼気合手刀!!」

 勇気の放った手刀は見事に大和の頸動脈にヒットした。

「グ、グボォエ!」

 大和は醜い怪物の断末魔のような叫び声を上げたと同時に地面に倒れた。

「しばらくは起き上がることは不可能でしょう」

 勇気はひとりごちたが、すぐにがくっと地面に膝をついた。

「くっ、さっきの大和の正拳突きのダメージか。これでは俊哉達の応援は出来ない」

「おい、由佳子、やったな。勇気の奴勝ったみたいだぞ。ダメージはあるみたいだけど」

「よそ見しないの! 俊哉! 私達の戦いはまだ終わっていないのよ!」

「ああ、そうだな」

 気を引き締めるようにような由佳子の言葉に卓郎が相槌を打つ。

 そして、俊哉達が大和を除く五暴連と拳を交えるその直前、どでかい声が辺りに響き渡った。

「そこまでじゃ!! お前等!!」

 まるで聞いたものを畏怖させるかのような、でかい声と貫録のある低い声。その声を聞いて五暴連と俊哉達の動きがぴたりと止まった。

「な、なんなんだよ。あのじいさん。すげえ声してやがるぜ」

 俊哉がびびったように言った。

「本当。何者なのかしらあのおじいさん。一瞬で私達の動きを恐怖で止めたわ」

「ああ、あのじいさん。ただものじゃないね」と俊哉。

「ね、姉ちゃん。俺膝の震えが止まらないよ」

 真吾はまるで子猫のようにぶるぶると震えている。

「せ、先生!」

 すると、五暴連の一人がそのおじいさんに向かって言った。

「先生……だと?」

「お前等、こんな所で何をしている?」

「い、いえ。ただクレープ屋でクレープを買おうとしたらこいつらに因縁をつけられたんです」

「言い訳をするな。ストロンゲストファイターズが迫っているというのにこんな所で油を売っている暇はないぞ。お前達は優勝して是が非でも優勝賞品を手に入れなければならないんだからな」

「は、はい先生!」

「優勝賞品だと?」

 俊哉が言った。

「し、しかし先生。大和の奴がこいつらの仲間にやられました」

「何だと? 大和が?」

 その先生と呼ばれているおじいさんが、大和が倒れている場所を見た。

「ほう、大和がな。いくら大和が五暴連最弱とは言え、あいつを倒すほどの奴がこの町にいるとはな……」

 その双眸が勇気を射た。

「やったのはあいつか。どうやら若い芽は潰しておかなくてはならないようだな」

 言うと、五暴連の先生と呼ばれる男は勇気に向かってゆっくりと歩きだした。

「くっ、勇気の奴がやべえ。だが、俺の足が金縛りにあったように全く動かねえ」

 俊哉は両手で自分の足を何度も叩き、金縛りを解こうとしている。

 すると、由佳子が叫んだ。

「ちょっと、待ちなさいよ!」

「何だね君は? 私の邪魔をしないで頂けるかな」

「私は由佳子よ。逃げも隠れもしないわ。あなたに話があるわ」

「話?」

「そうよ。あなた達は今度のストロンゲストファイターズに出場する予定なんでしょう?」

「ほう。どこでその情報を仕入れたかは知らないがその通りじゃ」

「その大会、私達も出場するの」

「何だと?」

「だから、この勝負の続きは大会で決着を着けない? ここにいる皆がそのメンバーなの」

「ほう。それはそれはまことに面白い」

「どう? その提案は」

「ふっふっふ。いいだろう。その提案受けて立とうじゃないか。大和がやられ、傷ついた五暴連の名前、大会で晴らそうじゃないか。な、大和!」

「は、はい! 先生!」

 五暴連の先生の声で気絶していた大和が息を吹き返し、返事をした。

「まじかよ。あいつ、気絶していた奴を声だけで起こしやがった!」

「ふむ。では大会楽しみに待っておるがよい。おい! 大和を連れて行け」

 言うと、五暴連の先生は踵を返し腰に手を当て歩きだした。

「は、はい!」

 五暴連の四人は大和を両手両足を持ち、大和を抱えると先生の後を追って言った。

 五暴連達が見えなくなると、卓郎がふうっーと大きく息を吐き出し言った。

「助かった。由佳子のおかげだな。もし由佳子が言わなければあのじいさん、勇気に襲い掛かっていただろう。サンキュー由佳子」

「いいのよ。でも、もうこれで後戻りは出来ないわ。あいつらと闘うしかないわね」

「ああそうだな。だけどこのままじゃまずい。すぐに帰って特訓しねえと」

「俊哉君にしては珍しくまともな意見を言うじゃないか」

 卓郎が言ったが、よっぽど危機感を感じているのか俊哉はいつもならする反論を全くしなかった。

「そうだね。すぐに帰って特訓だ」

 ようやく立ち上がることが出来るようになった勇気が言った。

 こうして五人は家に帰り、その日深夜まで稽古に励んだ。


 


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