第二十一話。由佳子、魔堕天と遭遇する。 (執筆たつきさん)
「おいっ、てめえらがなんなのかは知らねぇが、甘いものは皆で分け合うべきだぜ!」
俊哉は勇敢にも、数人の不良たちに向かって怒鳴った。
「なんだこいつら?」
「正義のヒーロー気取りか?」
不良たちは由佳子たちを睨んだ。
「俺は、魔堕天の五暴連のうちの一人、大知だ」
不良たちをかき分け、ひときわ大きな男が歩み出てきた。
「げ、なんだこいつ? おっさん?」
真吾は思わず呟いた。
「おっさんだとぉおおおおお?!」
大知と名乗った男は、コンプレックスを刺激されたのか、興奮して上着を脱ぎ、上半身はだかになり、筋肉を誇示した。
「きゃっ! 服くらい着ときなさいよっ」
由佳子は慣れない異性の体を目にして、顔を背ける。
「なんだ、上半身くらいで! 下も脱ぐぞ!」
大知は調子に乗って、下も脱ごうとした。
「待て!! 女性になんたることを!」
いつの間にか、勇気は大知に近づき、ハイキックをかました。
パシィッと鋭い音がする。
かなりの威力だろう。
実際、大男の大知も地面に倒れ込む。
「やれやれ、とんだ野蛮人だ」
勇気は膝の砂を払った。
しかし、大知はすぐに起き上がってきた。
「ほう。なかなかの蹴りだな。筋が良い」
「嘘だろ? あいつ。勇気の蹴りを食らったのに、全然平気そうじゃねえか」
俊哉は一瞬、心配そうな顔をした。
「では、私のターンだ」
大知は他の不良たちが見守る中、勇気に重い正拳突きを放った。
「ぐはっ」
勇気が後方に、2メートルほど吹っ飛ぶ。
「あいつの突き、かなりの重みだ。ここは皆で闘った方がいい」
卓郎は真剣な目をした。
「由佳子、お前も闘うのか?」
俊哉は由佳子の方を見た。
「こんな時のための空手よ!」
由佳子は腕でガッツポーズした。
「面白えっ。俺達も参加だ!」
周りの数人の不良と、由佳子たちの戦闘になった。
「僕はこのデカブツと一対一でいい」
勇気は静かに、しかし覚悟を込めて言った。
周りは目の前の敵に夢中で、勇気の小声などは聞こえていない。
勇気は、一人、気を静めた。
「大丈夫。昨日の気を思い出せ……」
「独り言とは余裕だなっ!」
喋りながら、大知は左右から拳で揺さぶってきた。
「ふっ。確かに重い拳だが、まだ俊哉くんの方が強いよ。スローに見える」
勇気はサイドステップで大知の攻撃を躱した。




