第十八話。チームワーク力を高める為に皆で買い物に繰り出す (執筆ラビリンスコーヒーLv1)
「なあ、俺達格闘技大会に出場するのに息が合っていないよな。団体戦なのに」
放課後、俊哉が口を開いた。
「団体戦って言っても、闘うのは個人だから、個人が負けなければいいだけの話だと僕は思うけどね」
勇気が冷めた口調で言った。
「そりゃあ、そうだけどよ。でもチーム戦である以上は、息が合っていないと個人にも影響を及ぼすと俺は思うんだよな」
「俊哉君は、一体何が言いたいんだい?」
すると、俊哉は相好を崩して言った。
「だからよ。今日これから一致団結する為に由佳子を誘ってどっか行かねえか?」
と、いう訳で放課後、由佳子と卓郎を誘って皆で買い物に繰り出すことにした。
「全く、もうすぐ格闘技の試合があるっていうのに、呑気なもんだな」
卓郎がやれやれといった様子で首を横に大きく振りながら言った。
「別に、いいじゃねえかよ。ちょっとぐらい。皆とチームワーク力を高めるためのちょっとした息抜きだよ。息抜き」
「そうね。たしかに皆と、一緒に何かをするというのは色々、皆のことが知れていいかもしれないわね」
「そうだろう? 流石由佳子だ」
「由佳子さんがそういうなら、正しいのでしょう」
勇気がうんうんと頷いている。納得しているのか、無理やり納得しようとしているのかは分からないが。
「しょうがねえな。付き合ってやるよ。た・だ・し、今日一日だけだからな」
卓郎も諦めた様子で言った。
「ところで、由佳子覆面の奴の話しなんだけど、そいつ強いのか?」
俊哉が不安そうな声音で聞いた。
「ええ、強いわ。昔、何回が喧嘩したことあるけど、私といい勝負だったわ」
「へえ、そりゃあ心強いな」
「由佳子さんと、喧嘩をするとは紳士の風上にも置けない男ですね」
「喧嘩って言っても、ちょっとした喧嘩だけどね。私のプリンを勝手に食べられたとか」
「ゆ、由佳子さんのプリンを勝手に食べた? それは一体どういうことですか? っていうかその男とはどんなご関係なのですか? ま、まさか恋人?」
「ち、違うわよ。勘違いしないでよね。ただのおと」
「ただのおと?」
興味津々というか、緊迫の表情で俊哉と勇気がその言葉の先を待った。
由佳子はただの弟と言おうと思ったけど、なんかややこしくなりそうな気がしたので、「ただのおともだち」と途中で言い換えた。
「なあんだ。ただの友達か」
勇気はほっと胸をなでおろした。
「ふうっ、ただの友達か」
俊哉も大きく息を吐き出した後、額の汗を袖で拭いた。
「ところで、買い物ってどこへ行くつもりなんだい?」
卓郎が聞いた。
「うーん具体的には決めてなかったなあ。あ、でもクレープは食いてえなあ」
俊哉が、呟いた。
ということで、由佳子と俊哉と勇気と卓郎は気ままに若者の街をぶらつくことにした。




