第十七話。現れた強力な助っ人!? (執筆たつきさん)
勇気と俊哉が道場から帰った後、由佳子は一週間後の地下格闘技大会についてネットで調べてみた。
手元の電子端末の情報によると、その大会はストロンゲストファイターズと呼ばれているようだった。
「ふうん。なんだか物騒な感じ」
由佳子は動画も見てみて、率直な感想を呟いた。
それもそのはず、その動画では、大会の様子がアップロードされていたのだが、負けた方のチームが乱闘を起こしたりしていた。
由佳子は確かに空手は強いが、まだ女子高生。喧嘩はほとんどしたことがない。
自分の部屋で、小型のソファに寝そべって足りないメンバーについて考える。
「助っ人が必要ね。それも裏切ったりしない人がいいわ」
「姉ちゃん!」
バタッという音がして、部屋のドアが急に開いた。
「こら、真吾。ノックくらいしなさい!」
慌てて由佳子は言った。
「あ、ごめんごめん。それよりさ。オレ、部活の主将に選ばれたんだ!」
「主将? ああ、そういえば真吾はボクシング部だったわね」
「うん。すごいだろ? 中二で選ばれたんだぜ。やっぱりオレって才能あるよな〜」
「はいはい」
軽く言った後、由佳子は思った。
(そういえば、真吾を助っ人にしたら良いんじゃないかしら? アイツは格闘技経験者だし、身内だから信頼できる! そうね。そうしましょう)
「ねぇ、真吾。大会に出てみない?」
「大会? なんの」
「決まってるでしょ。格闘技の大会よ」
由佳子はストロンゲストファイターズについて、一週間後に試合があることと、助っ人が必要なことを真吾に伝えた。
「助っ人かぁ。オーケー。オレ、出る!……でも年齢制限とかないの?」
「年齢ね。それはこれで誤魔化しましょう」
由佳子は、弟に鬼の覆面を見せて言った。
「本当に大丈夫かなぁ?」
真吾は少し不安そうに言いながら、部屋から出て行った。
その頃、勇気と俊哉は。
「俊哉くん、もうヘトヘトだろう?」
「そっちこそ!」
二人で仲良く(?)腕相撲をしていた。
一週間後の大会に向けて、どっちが後に出るか腕相撲で勝負しているのだ。
5人制ということは、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将がいるのだ。
由佳子にきいてみないと、最後に出るのは誰か分からない。
しかし、二人とも、相手よりは後に出たいと思っていた。
ライバル意識である。
と、勇気の手元の電子端末が鳴った。
「ちょっとタイム。はい、もしもし」
「誰からだよ、勇気。今は勝負中だろ?」
「由佳子さんからだよ……うん、分かった。助っ人は鬼の覆面の人ね」
「お前、いつの間に由佳子と電話番号、交換してたんだよ!」
「ふふふ、妬いてるのかい?」
「誰がだっ!」
その時、俊哉に気合が入り、勇気に腕相撲で勝った。
「じゃあ、由佳子は女だから試合に出ないように、大将にして、俺らで三勝しようぜ」
「君が副将というわけか」
「さぁな。卓郎のやつに訊いてみないとな」
次の日になり、ストロンゲストファイターズまで、あと6日。




