第十一話。由佳子、空手を教える (執筆たつきさん)
勇気と俊哉の喧嘩(?)の後、由佳子は二人に種明かしをした。
「ごめんごめん。実は私、空手をやってるの」
「んだよ由佳子かよ。空手って気まで操れるのかよ。マジすげえよ」
俊哉は頭をポリポリ掻きながら、感心したように言った。
「空手の外気功? そんなことまでできるのかい」
勇気は感激した様子だ。
「由佳子さんと言ったかな? 僕にも空手を教えてくれないか?」
勇気は目を輝かせながら、そう言った。
「てめえ、一人だけ強くなるつもりか? 由佳子、俺にも教えてくれよ!」
俊哉も由佳子に頼んだ。
「ええっ。空手を教えてほしいの? う〜ん、じゃあ道場においでよ」
ということで、本元勇気と神竜寺俊哉は、由佳子と空手道場にやってきた。
道場の前で、三人は道場を見上げた。
「へぇ〜。これが由佳子の通っている道場か。なんて名前なんだ?」
「俊哉くん。看板に書いてあるだろう。柳猫道場って」
「そう、私は柳猫道場に通っているの。あなたたちもよければ通ったら?」
「フン。ここで強くなって、今度はこいつをぶっ倒す」
「元々、僕の方が強いんだ。僕が空手を習えば無敵さ」
「ほらほら、二人とも喧嘩しないの!」
などと話していると、道場の師範が話し声を聞きつけ、門から出てきた。
「おお、由佳子じゃないか。今日はお友達もいるのか?」
道場の師範はの名は、猫柳三郎。
お茶漬け好きの、78歳である。
「意外と老けてるんだな」
俊哉は小声で由佳子に言った。
「聞こえとるぞ」
猫柳師範はそう言って、腕組みをした。
「君たちは見学かな?」
「いえ、僕たちも空手を体験したいです。実は由佳子さんの空手の実力に惚れまして」
「大げさだよ〜」
由佳子は思わず苦笑した。
「俺も体験希望だ。あいにく、今は金はない。いつかバイトして返す」
俊哉はそう言った。
「ほっほっほ。体験コースなら金はいらんよ。わしも暇じゃし。ささ、入りなされ」
三人は押忍と礼をして、道場の中に入った。
道場の中は、外から見たより広く感じた。
といっても、平日の昼間だからか、中に人はほとんどいなかった。
一人だけいたのは、由佳子の知り合いの足立卓郎だった。
卓郎は、通っている学校は違うが、由佳子たちと同じ、高校2年生だ。
「あ、師範。体験生ですか?」
「そうじゃ」
「二人とも、自分たちの修行についてこれるかな?」
足立拓郎はそう言って、にやりと笑った。




