2話目 大きな影
主人公が村長の名前を間違えて聞いてます。本当はドドリオ村長ですか?です。
あの事件から2年後、ジョルノは、手掛かりを探すべく、父の友人を訪ねようとしていた。
城から馬で3日はかかっただろう。おかげで、ようやく目指す村が見えてきた。門は無いが、周りには、人より背が高い木の板が、村を囲っていた。
「おーい、そこの人。村に入るなら、馬から降りてくれるかー」
上を見ると、痩せ型の男が、物見櫓から身を乗り出して、両手を輪にして口に当てていた。 ジョルノは頷いて、馬から降りた。
村の中に入ると、一人の子どもと目が合った。 「人を探しているんだ。ドドリオって言う人なんだけど……」
少し間をおいて、返事が帰ってきた。
「その人は村長だよ。この道を真っ直ぐ行くと、すぐに見つかるよ」
「そうか。ありがとう」
手を振って別れた。
ジョルノは村長の家の前に着いた。他の家と造りは一緒だが、大きくな家だった。
「お前は誰だ?」
家の入口から出て来た男が言った。
「ジョルノ・ツェペリと申します。あの、グレゴリオ村長ですか?」
「あぁ、そうだ。」
「父グレゴリオの友人だと聞いて訪ねたのですが」
「おぉ、お前が息子か。災難だったな。話は聞いたよ」
「えぇ、しかしあなたは、何故葬式に出席しなかったのですか?」
「わしは、いろいろな情報を知っている。あまり外に出歩けないんだ。さぁ、家の中で話そう。すぐに料理の仕度をさせよう。それと、今夜はここに泊まるといい」
軽く会釈をして中に入った。
ジョルノの服装は、全身黒色で統一されていて、体に密着している。保温、保湿、動きやすさを追及した戦闘着だ。ベルトには、ダガーが2本、両腰に納まっていて、背中には、父の形見である処刑刀が左肩から右足にかけてあった。
テーブルにお互い座りドドリオ村長が口を開いた。
「その背中の剣、よかったら見せてくれないか?」ジョルノは黙って剣を渡す。ドドリオは鞘から剣を抜いて……
「ほぅ、直刃か。……造形に遊びもない。人を切りやすくするためか?」
(直刃とは、刃についている紋様が破線でなく直線のもの)
「えぇ、これが処刑刀です」
「一つ注意しておこう。これは、完全に扱えるようになるまで、あまり抜かないほうがいいぞ」
「はい」
「よし、本題に入ろう。父親を暗殺した犯人までは分からないが、これは反逆や革命ではない。何か、大きな力がそうなるように仕向けた可能性がある。」
「まさか、国王が関係しているとでも?」
「おそらくな、しかし、確信はない」
そのとき、1人の女性が料理を持ってきた。
「わしの妻だ。さぁ、腹一杯食べて寝ろ」
食後、ジョルノは体の汚れを洗い流し、体が麻痺でもしたかのように、布団に入ると動かなくなった。
3話目乞うご期待