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僕は、割と真面目な部類に入る生徒で、小学校の頃は「学校が終われば家にまっすぐに帰る」というタイプの子でした。もしかしたら、現在ならテレビゲームが当たり前の時代なので、ゲームをする為にまっすぐに家に帰るというのは珍しくないかもしれませんが、あの当時・・・・今から35年前は、テレビゲームなど無かった時代で、まっすぐに家に帰るというのは、限られた子供だった、と思います。つまり、殆どの子供は外で遊ぶのが当たり前の時代でした。学校が終わっても運動場にカバンを放り投げて遊ぶ。家に帰ってもカバンを玄関に放り投げて外で遊ぶ。
それが当たり前の時代でした。
また、塾に通う子というのも少なく、塾に通うのには、当然、お金が掛かるもので、僕の家には当然そんな子供を塾に通わせる余裕というのは無く、だから、家に帰るというのは、塾に通う、とか、お稽古事に通うために帰る,という理由ではなく、本当に家に帰る為だけに帰る、という理由でした。
わかり易く言えば、どこにも行く理由がないから帰る、という事でした。
その当時の子供は、学校が終わればクラブ活動などの野球をやったり、外で遊んだりしていましたが、僕の場合は、まっすぐに家に帰るものですから、友達というのも少なかった方だと思います。
そんな子供でしたので、中学、高校と、あまり本質的には大きな違いのない行動をしていました。
ですから、剃り込みなど、当然、無関係の子供でしたので、自分の髪型の異変は、すぐに気付いていました。
僕が「ハゲ始めた」と自覚したのは、高校生の時です。
それが高校1年の時なのか、卒業間近の3年の時なのか、は覚えていませんが、高校の時であるのは確かです。
誰でもやるように、鏡の前で髪型を直していると、剃り込みの辺りに髪が無くなっている事に気付きました。
それは、はっきりとなくなっている、という事ではなく、どちらかと言うと「そんな気がする・・」程度の自覚でした。