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不思議な石

あるのに見えたり消えたりする。消えてるときはその体積も存在も確認できない。

自分の部屋でそっとポケットから出して机の上におこうとしたら、

すっと消えてまたポケットへ戻っている。


もう一度そっと出して今度は僕の帽子の上に具合よく置いてみたら、

うまくちょこんと収まった。居心地がいいところに存在するみたいだ。


寝ているときはたぶん消えているんだろう。確認の仕様がないのだ。

何度も手にしてまじまじと見つめる。ほんとに不思議な石だ。


3ヶ月ほどたってあることに気がついた。色や明るさ輝き具合は、

僕の気持ちのありように微妙に反応しているようだ。


気分がいいときはピンク色に明るく輝く。気分がよくないときは

暗い灰色で輝きもない。ピンクから黄色からブルー緑紫色まで

何十色と変化する。


ということはどす黒く沈んでいたらそれは地獄の生命状態だ。

幸い黄色オレンジ黄緑水色とをいったりきたりして、

適当に明るく輝いていた。


2年生になって単位の登録に忙しくなってきた。

今日は午前中にアルバイトの面接。午後から学校に出て

前期の登録を済まさなければならない。


家を出て大映通りのコンビににむかった。先日アルバイト募集の張り紙を見て

履歴書を持っていくと、今日の10時に来てくれとのことだったからだ。


これで5軒目だ。この正月明けから4軒。面接ですべて落とされている。

本屋が2軒とビデオショップが2軒だ。理由ははっきりしている。

アトピーのせいだ。


アトピー性皮膚炎のために顔面が赤くただれていて眉毛がまったくないからだ。

そのために接客のアルバイトはむつかしい。と思いつつやはり、

コンビにもだめだった。

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