第一章 3話 にんにくと懸念
フォークとナイフを手に取り、丁寧にハンバーグに入刀していく。
それと同時に、トマトとにんにくのきいた香りが鼻をくすぐる。
たっぷりと贅沢にトマトソースをつけ、口にゆっくりと入れていく。
「〜、!!!!」
「あははっ、おいしい?」
「おいしい」
コクコクと頷きながら、二口目の準備をする。
「そんなに喜んでもらえるなら、作った甲斐があるってものよ〜。って言っても、レシピは簡単だけど」
「アレンジした?にんにくがきいてる」
「そう!!!!さすがユーカ」
人差し指を立て、マイは自慢げに話し始める。
「刻んだにんにくを多めに入れてみたんだけど、すっごく食欲がすすまない?入れて良かった!」
「うん、おいしい」
「まぁでも、2人でこうやってゆっくり食べられるのも1ヶ月ぶりだもんね。それもあって美味しいのかも」
「…そんな経ってたっけ」
「うん。前2人で食べたのも確か幹部会議の前だったでしょ?」
「あぁ、そっか」
「2人とも忙しいからねぇ…今回、ユーカはうちの子とタッグ組んだんだっけ?」
「そう」
「どうだった?あの子、動きは悪くなかった気がするんだけど」
「ーそうだね。でも、油断したのがもったいなかった」
「あぁ、なるほどねぇ。まぁだとしても、ユーカと組んだら誰だってちょっとは緊張感緩むと思うけど」
「そう?」
「私だってそうだよ?自分がちょっとミスしてもカバーしてくれるっていう安心感があるから」
「…マイは、そう思ってる風にはあまり見えないけど」
「え、そう?でも、私の本気に合わせられるのはスナイパーの中だとユーカだけだから。誰だって、自分より上か自分と同じくらいの実力の人と組むってなったら嬉しくなるよ」
ソースをナイフでかけ直しながら話すマイは、少し寂しそうだった。
「…それもそうか」
「まーでも、あの子の昇格は取り消しかな。一応1人でできたらって話だったし」
「あー…じゃあ降格?」
「うーん、まぁでも、今回はおまけでそのままかな。ユーカのおかげとはいえ、任務は成功してたし」
「ーそう。」
「このこと言ったら、いろんな人に反対されそうだけど笑」
「たしかに。マイのとこは緩い方だもんね」
「そう?周りから見たらそう思うのかな…まぁでも、うちは仲良いよ」
ごちそうさまでした、とマイは席を立った。
「んじゃ、私もうお風呂入ったから、食べ終わったらすぐお風呂入ってね。風邪ひかないように!お先〜」
「わかった」
ーごちそうさまでした。
ソースが残った皿を片付けながら、今日の任務のことを考える。
もともとの情報では、目標人数は12人。それぞれの戦闘能力もそこそこあるという話だったため、メンバーの昇格任務として密かに扱われていたわけだが…
(最後に彼を狙った1人は誰だ?)
情報が間違っていた?彼が倒した敵がまだ生きていた?
それとも。
……明日、聞いてみるか。
あたたかい湯船につかり、疲れを癒してからベットの上に乗る。
マイは先にベットに入っていて、すでに寝ているようだった。
…明日は私が起こすことになりそう。
タイマーをかけ、ユーカは静かに眠りについた。
ハンバーグが少しでも美味しそう!と思っていただけたら嬉しいです笑
次回もお楽しみに!




