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好きな女の子が犬飼いたいと言ってたので、その子の庭で勝手に犬になった。

作者: 電脳巻層雲

「犬と猫なら犬が飼いたいかなー」


隣の席で友人と会話に勤しんでいるは、犬飼真琴(いぬかいまこと)。俺と同じクラスの高校2年生だ。ちなみに俺の名前は羽柴歩(はしばあゆむ)という。


そうか、犬を飼いたいのか。それなら願いを叶えてあげないといけない。


俺は以前から調べ上げていた真琴の個人情報を元に、犬になることを決めた。


準備するのは犬小屋と首輪くらいだ。あとは真琴の家の前で犬としてふるまうだけでいい。


こんな簡単なことで真琴を喜ばせることができるなんて安いものだ。


――


「羽柴くん……それマジでやめてくれない……」


真琴はゴキブリでも見るかのような目で見下した。犬小屋に入リ首輪をつけた俺を。


もっとそんな目で俺を見てくれと言いたい。


しかし、俺はどこで間違えたのだろうか。


警察を呼ばれる前にさっさと犬小屋を撤去して、自宅に帰る。


そう……真琴と同じ家に。


俺達は親の再婚を機に姉弟となった。学校での苗字は元の親の苗字を使っている。


真琴は俺の義理の姉なのだ。


真琴と一緒に住むことになったのは3年前の中学2年の時だ。


当時の彼女は全く喋らない、暗い子だった。


俺はそんな彼女のことが嫌いだった。この子はなんでこんなに根暗な子なんだろうと思っていた。もっと楽しいことがいっぱいあるのに……


そう思うと腹が立ってきたのだ。


だからその性格をなんとしても変えてやると俺は誓ったのだ。


三年前から。


一週間で俺の存在に気がついた。


一ヶ月で俺の方を見てくれた。


一年で笑ってくれた。


三年で下衆を見るような目をしてくれた。


明日はどんな事が起きるのだろうか。

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