05:生活賛歌
嗚呼 万歳
生活に塗れた 哀れみよ
疑うことなき 真摯なその視線よ
生きた証を遺すとか
そうじゃない
ただ生きてる内に
何かを共有するのだ
称えられようが 蔑まれようが
見向きもされなかろうが
構わない つまり
他者ではなく 自身の心象の中心に
私はいるのだ 私はいるのだ
嗚呼 万歳
越えられぬ壁よ
項垂れて 諦めて
帰ることも許されないこの帰路よ
生活は覆う 僕らを覆う
絶え間ない 労働 日常
我ら歌う 賛歌を
素晴らしき賛歌を
へばりついた価値観は
もうそこらに捨てといて
どうせ普通になれなかった人生だから
違う道を行こう 好きに行こう
どうせ理解はされない
認められない
これは諦めといえば諦めですが
得てして
私にはどうも希望に思えるのです
いつ消えるか いつ消えるか
繰り返した日々を超えて
少なくない信頼できる人と出会い
少なからず望んでいた職に就いて
今ここに立っていますが
納得できません
満足できません
この現状を抜け出して
駆け出して
ただその先に行きたいのです
嗚呼 万歳
惨めな命よ
目の前の幸福すら見殺し
堕ちていく精神よ 過程よ
さらば 賛歌
歌い続ける 吐き捨てる
夢と希望とかもういいよ
煩いよ
見たいほうへ
ただ 見たいほうへ
嗚呼 万歳
この歌は止まない