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第一話 赴任地は異世界

「異世界の空も青いんだなぁ」

大きな木にもたれ座りながら呟く俺は


陸上自衛隊 国分寺駐屯地

情報課勤務 砂走すなばしり しん 20歳 独身

趣味はゲームにアニメ鑑賞

中学卒業後、俺は高校に行かずに自衛隊に入った。

何故ならば怪獣と戦いたかったからだ!今すぐにでも!

そう、怪獣と戦えるのは自衛隊の特権だ。



事の起こりは数時間前


俺は長友ながとも課長に呼ばれた。


「砂走君、どうだった?そのゲーム」

長友課長は腕を組みながら感想を?求めてきた。


「面白かったですよ。マジで。街並みもリアルだし。

 剣のスキルも多分、全て出したかと思います」

「そもそもこの1年間ずっとゲーム出来て

 幸せの極致でしたよ。これで給料もらえるし」

俺はそう言うと


「そうか!ならば次の段階へいこう!」

と課長は言うと、俺を別の部屋に案内した。


歩きながら、課長は

「君は潜水艦乗りを知っているか?

 任務を与えられると、誰にも行き先を

 言わずに人知れず行くそうだ」と言う。


「そうなんですね。奥さんにもですか?」と

俺は聞くと課長は頷いた。

「そりゃ大変ですね。俺、独り者だから

 もしそう言う任務でも問題ないですね」と

俺は笑いながら答えた。


そして部屋に入ると机の上に

リュックが2つと・・・。

「なんですこれ!かっこいいですね!」

俺は思わずヲタクの血が騒いだ。


「この世界で最強の素材で作られた剣だ。

 まぁこれは試験的なモノだが」というと

 なんかかっこいい刀を机に置いた。


「うぉお、なんか心をくすぐりますね。」と

その刀を見て俺は叫んでしまった。


「ZDP-189鋼をチタンで覆った鋼材を使い、

 刃の形状は蛤刃だ。さらに強度を

 増すために、片刃、つまり日本刀にした。

 これで斬れぬものはない。」

「鞘はカーボンファイバー製だ」とも目を輝かせて

課長は言うと・・・。

「本当は私が行きたかったのに」と

ボソリと言ったとか言わないとか。


あぁ、後これに着替えて?と言われたので

そそくさと着替えてみた。

「なんですかこれ!むちゃくちゃカッコイイ!

 コスじゃないですか!」と俺。


「おお、気に入ってくれたか!

 情報課の全てを集めて作ったのだ。

 最強の防御力を誇るぞ!」と課長は言う。


俺は知っている。長友課長も生粋の

ヲタクだという事を!そして・・・


俺に刀とリュック2つを渡し、

なにか腕時計のような物をハメた。

そして小型のサウナボックスのような所へ

俺を押し込むと


「じゃあ行ってこい!3年2か月後位には

 《《出来ているはず》》だから

 迎えの者達を出す!詳しくはリュックに

 入っている指示書を読め!健闘を祈る!」と

課長は少し悔しそうな顔で敬礼をしながら言った。


「はい?」と言いつつ俺は反射的に

敬礼をしてしまった。


何か甘ったるいような香りと煙がルームに満ちる。

俺はヤバいと思いドアをガンガン叩く。

「だめです!これダメなヤツです!

 開けてください!」とも言う。


「え?なんだって?聞こえない!」と

手を耳にやり、ニヤニヤしながら課長は言っている。

「いや!聞こえているでしょう!」と俺。


「目の前に大きな石碑があったら成功だ!

 もしなかったら頑張れ!まぁどっちにしても

 頑張れ!」と長友課長。


そして俺は意識を失った。


一時して何か心地よい風が体に当たる。

俺はそっと目を開ける。目の前には

でっかい木があった。


「失敗じゃねえか」


おれは木に背を付けて辺りを警戒する。

「ここは・・・。どこだ?」

辺りに何もいない事を確認して座り込んだ。


「そういえば、指示書」と俺はつぶやきながら

リュックの中を見る。その中には

指示書と言うよりも100均で買ったような

メモ帳が3冊。それが四角い箱のアクセサリーが

付いたペンダントにぐるぐる巻きにされ入っていた。


「なんぞ?これ」とペンダントはとりあえず

リュックに入れて、おれは「その1」と

書かれたメモ帳を読む。


君は今、異世界に居る!すごいすごい。

これを読んでいるという事は

本当に行けたんだな!

君に与えられた任務は、その世界で取れる

珍しいモノ、そう、情報課的に言うと

『レアなモノ』を持って来る事だ。

沢山だ。そう沢山。出来ればドラゴン関係は

持ってきて欲しい。日本の為に!

獲ったレアモノはそのペンダントに収納できる。

アイテムボックスだ。それマジですごいから

なくすなよ!

そこはエアスト大陸と呼ばれている。

結構こっちからの人間も居るらしいから

何とかなるだろう。

じゃあ、3年2か月後、また会おう。


冒頭2ページを費やした文章がそれだった。


俺は空を見上げた。

本当に青い空だ。


「向かえって・・・。待ち合わせ場所

 書いてねえじゃねえか」



俺はリュックの中を色々と見る。

まぁ!ウレシイ!

サバイバルに使えそうなものだらけ。

そしてこの刀。おれは鞘から刀を抜く。

「まじすげえな!俺みたいなのが

 持っていいモノなのか!」と思わず

口にしちゃったが、ふと考えてしまった。


「何故に、何ゆえにこの刀を持たせたのか。」

考えられるのは護身用。

「あれ?ちょっとまって?」と先ほどの

メモ帳をもう一度読み直す。


「ドラゴンってなんだよ!」

まじで、ここは異世界なのか・・・。

俺は刀を腰に差し込み、リュックの中から

サバイバルナイフを取り出した。

「使い慣れた方がいいな。刀は少し

 慣れてから使おう。高そうだし。」と言いながら

移動の準備をする。陽が高いうちに

寝る場所、いわゆるベースを作りたい。


あ、そうだ。と俺はひらめく。

「書いてあることが本当ならば」と

アイテムボックスにリュックの中身を

入れてみる。

「うぉ、マジデ入っちゃうし」と独り言。

そして取り出す。

「なにこれ!便利!」と呟きながら

サバイバルナイフと、刀、そしてメモ帳だけを

残して他全部収納した。


そして俺はとりあえず遠くに見える森を

目指し、メモ帳の「生活の知恵」と書かれた

ところを読みながら歩き始めた。


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