『ふふ、お前が『やめろ!!!』と叫ぶたびに仲間を1人ずつ殺していく……』『やめろおおおおおお!!』勇者パーティーに迫害されていた無職の俺は魔王幹部にそう言われて『やめろ』と五回叫んだ
久しぶりの投稿なので、いたらない部分も多いと思いますが、よろしくお願いします。
「ふふ、お前が『やめろ!!!』と叫ぶたびに仲間を1人ずつ殺していく……」
「やめろおおおおおおおおおお!!!」
異次元クラスの強さを誇る眼の前の魔王幹部『美脚のクリス』にそう言われた瞬間俺はそう叫んでいた。
「まず1人目!」
「ジーン、お前ええええ!! ぎゃああああああ!!」
クリスの左脚によって弾け飛ぶ勇者ハハーン。
「ハハァァァァァァンッ!!! やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「2人目!」
「ジィぃィィィンッ!! きゃああああああ!!」
クリスの魔力弾によって消し飛ぶ聖女クレア。
「クレェェェェェェェああアアアアアッ!!! ハア、ハア!! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「3人目ぇ!」
「お前がやめろおおお!! ジィィィィン!! グアあああああああああ!!」
クリスの鋭利な爪で3枚おろしにされる剣聖バトロス。
「バトロおおおおオオオオオオオスッ!!! ハア、ハア、ハア!! やめろオオオオオオオオオオ!!!」
「4人目ぇえ!」
「ブチ殺しやる、ジィぃィィン!! いやああああああああああああ!」
クリスの右脚によって頭を飛ばされる賢者アイリス。
「アイリィぃぃぃぃぃす!!! ハア、ハア、ケフ!」
「最後に残ったのはお前だけのようだな」
「みんな……!!!」
「絶望で声も出ないようだな、引導を渡してやろう!!」
俺は反射で近くにあったバトロスの剣を拾って、迫り来るクリスの足を受け止めた。
「みんな、ざまあみやがれ!!!」
鮮血が噴き出した。
「何ィィイ!!?」
クリスの足から。
不思議な光景だった。
理屈はわからないが、俺は自分が奴より有利な状況にいることを理解した。
「馬鹿な、お前の力が回ってこない! お、お前、仲間を思いやる心が一ミリも存在しないと言うのか!? いや、私の力が脆弱になったことから考えれば、お前はパーティの全員に憎悪を抱いているのか!」
「当たり前だろ! 俺は女神からの祝福されずに職業もスキルも貰えなかった無職なんだからよお! 国から死んでも問題ないと思われてる奴があいつらにどんな扱いを受けてきたと思てんだ!」
あいつの疑問に対して捲し立てるような勢いで怨嗟の叫びが口から出てきた。
叫んでいる間おぞましいものを見るような目でをクリスは俺を見てきた。
「あんたには感謝しても仕切れないし、見逃してやりたいが、生憎俺はここから1人じゃ国に帰れないし、どちら道魔王を倒さなければ国に帰ってもお前ら魔族にぶち殺される。だからあんたにはこいつをつけてもらう」
俺は自分の首に掛けられている首輪を指さした。
「なんだそれは!?」
「『弱者の首輪』だ。自分より力の劣ったものにしかつけられず、つけられた側は主人がなんらかの方法で死なない限り外れない。そしてつけられれば最後、生死全て主人に握られることになる」
「私につけるつもりかやめろ!」
「俺がやめろって言ってやめなかったくせにやめるわけねえだろ!」
「いやああああああ!!」
ー|ー|ー
その後クレアを隷属させた俺は、奴のスキルを使って魔王を倒し、その報奨金で何不自由ない余生を送った。
読んでいただきありがとう御座います。
またの機会にどうぞよろしくお願いします。