恋は幼き
「・・え?お母さん、言ってないの?」
「言うわけないじゃない!帰り道なんて。個人情報なんだから」
「そう・・」
晩御飯の席で佑介の話をした。私の口から佑介の話題が出てくるのをお母さんだけでなく、お父さんも喜んでいた。そして気になっていた、佑介が私の帰り道を知っていたことを話題に出したが、この反応である。
「たまたまなんじゃないの?」
「たまたまで、二日連続会うのかな」
「まぁそんな日もあるだろう。母さんが言ってること疑ってんのか?」
「お父さん、そういうわけじゃなくて・・言ってないんだったらいいけどさ。ごちそうさま」
「佑介からのLINO返ってこない・・そんなに地雷だったのか、彼女、って」
あの言葉を出した時の佑介を思い出す。本当に悲しそうだった。
「・・これからもう二度と連絡来なかったらどうしよう・・」
ピロン♪
「!」
軽快な音が、スマホから聞こえた。佑介だと思い通知を見ると、
「・・・ルカか。『まだ連絡返ってこないよ~』って・・・あぁ彼氏の話か」
どうでもいい。佑介と比べてのルカの幼さたるや。同い年なのにどこが違うのだろう。・・私はどっち側なのだろう。
「恋かぁ」
中学の頃は、おそらく佑介に対し恋愛感情のようなものを抱いていたと思う。毎日、学校でも帰り道でも話して。休日には、地元の体育館へ卓球の大会を見に行って。友達に関係を聞かれると、佑介は大事な友達だといいながら、心ではこの気持ちは友情ではないような気がしていて。でも誤魔化して。思い出せば思い出すほど、あれは恋だったような気がしてくる。
私は中学時代、彼に恋をしていたのだ。
「・・じゃあ、今は?」
引きずっているわけない。一年ほど佑介とは絶縁状態にあったし、あの頃私は確実に嫌っていた。なのに今、好きなはずがない。・・それじゃあ何故、彼の返信を待ち望んでいるのだろう。気まずい別れ方ではだったが、他のことをせず返信だけ待っているのは私にしては珍しいはずだ。
私は今も、彼に恋をしているのだろうか。
「ふっ。だったら、もう振られてる」
告白なんてできない。佑介が断ることはわかり切っていることなのだから。それに告白したら、次は佑介から避けられるに決まっている。この前までの絶縁状態の二の舞になるわけにはいかない。私が、想いを無くすか隠すかすればいいだけの話だ。
「簡単なこと・・・簡単なことだよ」
ゆっくりと目を閉じた。
亜梨花の気持ちは恋なのでしょうか。幼い頃って、友達としての好きなのか恋愛としての好きなのか、判断が難しいです。亜梨花の気持ちも今後はっきり定まればいいですね。次回の投稿、楽しみにしてくださると嬉しいです。




