『愛すくりーむ』
宇宙誕生から遠く離れて、
辿りついたのは「愛」
愛の矛先を拡大してゆく過程で
戦争という「誤爆」も生じます。
しかしその歪みを正しく変えていけるもの
それも「愛」
アイスクリームで作った空洞の球体の中に
生クリームと もぎたての苺。
そこに甘酸っぱいソースを注ぐと
トロトロと溢れたソースが流れだす。
ゼラチンといちごジュースで
そのものの柔らかさにした唇に
熱いキスをする。
口の中に甘いとも酸っぱいともつかない
むせぶような恍惚が脳をかけめぐり
涙とも涎ともいえない嵐の中
やがて来る秋へ
愛はうつろいやすく、
決して後戻りはできないけれど
このひとときを
いつまでも舌の上で弄んでいたい。
それが叶わぬのなら、せめて………
心の中で反芻し
夢のひとひら数え数え
いつまでも胸にある禁断の果実
そんな壊れそうな何かが愛おしく思う感覚
この切ない陶酔感は なにかに似ている。
懐かしい心の肌触り。
もしや、これは………恋?
いちご、好き?